
7.冬を撮る
1. ごあいさつ
カメラや電池、メモリカードなどの電子機器は寒さに対してデリケートです。
特に気温が零下になるような場合には十分な寒さ対策が必要となります。今回は冬の撮影術についてご紹介しましょう。そして、初春の日本の行事といえば成人式ということで、振り袖の撮り方のポイントも紹介します。
2.撮影の準備をする
カメラやメモリカードなどの使用説明書の仕様欄には、その機器の「使用温度」や「動作温度」が記されています。ニコンDシリーズのデジタル一眼レフは、0〜40℃となっています。つまり、0℃以下の状況での保証はできません、ということです。
これは私見ですが、0℃以下では使えないということではなく、零下でもたいてい使えることが多いです。ちなみにニコンD50の仕様では、使用温度0〜+40℃となっています。
寒さ対策
デジタルカメラは冷えることによって、その機械部分よりも、電子部品の作動にトラブルが起こることが多いようです。そしてもちろんカメラだけでなく、私たちの身体の寒さ対策も考えておきましょう。カメラ用品やアウトドア用品を探せば、機能的な便利グッズが数々見つかります。
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手袋をしたまま、ある程度の操作ができるタイプが便利。
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持ち運ぶ時は、カメラケースやバッグに入れて保温。
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三脚につけたカメラの保温(防水)には、保冷バッグが便利。
メモリカードと電池
一般的なメモリカードの多くは、0℃以下では動作保証されていません。しかし、−25℃や−40℃などの寒さや静電気、衝撃に強いメモリカードも市販されていますので、私は寒い場所での撮影にはこうしたタイプを選ぶようにしています。
また、電池は低温になると十分な電力供給ができなくなります。このため予備の電池を必ず準備しておきましょう。温度が上がればそのまま使えるようになることもありますので、ポケットの中で携帯用カイロなどを使って温めるもの作戦です。
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寒い場所での撮影には、予備の電池は必需品。
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電池を携帯用カイロで温めると、再び使えるようになることも。
結露と静電気対策
カメラやメモリカードは繊細な電子機器です。このため、注意したいのが「結露」と「静電気」です。
結露とは、冷えたカメラを暖かい室内に急に持ち込んだ場合などに発生します。冬の屋外から室内に入った時に、眼鏡が曇るのと同じ現象です。電子機器に水分がつくわけですから、回路にトラブルが発生することがあります。メモリカードの場合には、データがなくなることもあるようです。
冷えたカメラなどの機材は、ゆっくり室温になじませてから取り出しましょう。私の場合、運悪く結露した場合はスイッチをOFFにしたまま十分乾燥させ、その後にスイッチをONにします。
乾燥した場所では「静電気」にも注意。メモリカードなどを触る前に、身体にたまった静電気をドアノブなどの金属部分で逃がしておけば安心です。静電気除去グッズを使えば、放電による衝撃を防げます。
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冷えたカメラを急に暖かい部屋に出すのは禁物。
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防水のケースやパッケージに入れておくと安心。
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身体の静電気を逃がしてから、操作を行います。
3.雪を撮る
雪は白い。これが常識ですが、白い雪をカメラ任せで撮影すると、なんとなくどんよりした薄暗さで写ることが少なくありません。さらに、白い雪を真っ白に撮ったとしてもなんとなく冬景色らしくないように感じたりします。寒さを表現するには、どうしたらよいのでしょうか。(写真協力・森山 淳)
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カメラ任せ(オート)で撮影したもの。
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少し青白い雪景色ですが、寒さがよりよく伝わりませんか?
雪の白さを白く撮影するには?
画面の大部分が雪の白さに覆われた風景を撮影すると、見た目よりもずいぶん暗い印象の写真に仕上がります。
こうした場合には、カメラの露出補正機能を使って、+1〜+2くらいに補正して撮影するだけで、雪の白さを白く表現することができます。作例の場合には、写真04(+1補正)と写真05(+2補正)の中間が最適のようです。
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カメラ任せで撮影したものです。とても暗い感じ。
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露出補正を+1に設定したもの。かなり明い。
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露出補正を+2にしたもの。これでは明るすぎ?
冬の寒さを表現するには?
寒色とか暖色といった言葉を聞いたことがあるはずです。寒色とは青みがかった色、暖色は橙色(赤み)がかった色調を指します。これらの色は、体感的に寒さや暖かさを感じさせるのです。
写真のイメージでもこれは同じで、青みがかったイメージには寒さを感じます。
デジタルカメラでこうした色調を得るには、ホワイトバランス機能を使います。とりあえず難しく考えずに、設定を変えてみて、「これが気分だな」と感じる色調で撮影してみましょう。
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電球モードにすると、青みが強く氷点下のイメージ。
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蛍光灯モードでは赤紫っぽい色調。
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晴天モードはほのかな青みで、わりあい自然。
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晴天日陰モードにすると、少し暖色に偏り夕暮れ時の感じ。
露出補正とホワイトバランスで雪の寒さを表現する
さて、露出補正で雪の白さを表現し、ホワイトバランスの色によって寒さを表現できることがわかりました。つまり、これら二つの機能を併用することで、白さと寒さを両立したイメージにできます。
ちなみに、ホワイトバランスのプリセット機能を使い、「雪」そのもので白基準を取った写真も撮影してみました。雪は正しい白に写っているのですが、寒さが伝わりにくいイメージになりました。寒さは、青さによってこそよりよく伝わるようです。
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カメラ任せで撮影したもの。やや暗い感じの写りです。
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露出補正は+1、ホワイトバランスを晴天にすると、白さと寒さをよりよく表現できました。
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露出補正は+1、雪の白でホワイトバランスを取りました。雪が白に写っていますが、寒い感じが表現できません。
4.振り袖を撮る
日本の冬の風物詩、成人式といえば振り袖です。振り袖は、めったに着ない晴れ着ですから、それだけで特別な印象があるかもしれません。もちろん着付けに関してはさまざまな約束事がありますが、写真を撮る上での約束事となるときれいに写すことだけです。
いわゆるポートレートの撮り方と大きな違いはありません。難しく考えずに、着物の雑誌などを参考にしてポーズなどを研究しながら気軽に撮影していただきたいと思います。(写真協力・日本カメラ)
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自宅の前で撮るとこんな感じになりがちです。
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スタジオで撮るポーズなどを積極的に真似てみましょう。
背景を選ぶ。
ポートレートは背景に何が写っているかで、その人の印象が大きく変わります。もちろん、自宅前で撮るのがいけないのではありません。背景によって、人となりが違って見えることに注意すれば、それぞれの目的に合ったポートレートを撮れるようになる、ということです。
振り袖の撮影でも、ズームや露出補正の使い方などはポートレート撮影の基本はそのまま当てはまります。
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着物姿が映える神社などでの撮影。
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白背景でスタジオ撮影のように。
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振り袖を意識せず自然に。
手と足に注意!
洋服と着物の違いというと、とにかく動きづらいということです。裾は長く何重にも重なっており、帯で腹部を固めています。慣れない振り袖があるので洋服のようには自由なポーズはとりにくいのです。
そこで着物姿の撮影では、特に手や足のポーズに注意します。こうしなければいけないというルールはありませんが、気をつけておくと良いでしょう。
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前で結んだ手は少し起こします。垂らしたままだと、だらしなく見えます。
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下ろした手も少し起こし、小指から順番に折ります。
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足は内股が基本です。両足を揃えずに、少しずらします。
いろいろなポーズで撮りましょう。
振り袖を着る機会は、多くありません。せっかくですから、前や横、後ろなどさまざまな向きから撮影しておきましょう。袖の表裏に模様のある着物では、それらもちゃんと撮影しておきます。記録というだけでも撮っておいたほうがよいです。
着物のカタログや雑誌などでモデルのポーズを参考に撮影すると、結構愉しいものです。
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横を向いて撮影。バッグを持つ手にも気をつけて。
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袖の模様も。ポーズもいろいろ研究します。
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忘れがちな帯結びも。振り返るようなポーズで。
最後に
冬の寒空の下にカメラを持ち出すのは、ちょっと億劫かもしれません。でも、クリスマスに始まって、お正月、成人式などなど、イベントは目白押し。雪が積もったら、それだけで銀世界です。いつもとは違う景色をきれいに写真に納めておきましょう。もちろん、風邪をひかないよう寒さ対策は十分にして、お出かけてください。


