2008年9月アーカイブ

1.カメラを使ってみよう

デジタル一眼レフ入門

1.カメラを使ってみよう

1. ごあいさつ

ごあいさつ

デジタル一眼レフカメラはいったい何がいいのか? そしてどんな操作をすれば写真が撮れるのか? といった基本中の基本をおおまかに紹介しましょう。これからデジタル一眼レフカメラを買おうかな? と思っている方の疑問は一挙に晴れるでしょう。すでにお持ちの方は、お手元にカメラと使用説明書を用意してお読みになれば、意外に見落としがちな便利機能を再発見できるはずです。ここが、デジタル一眼レフカメラのスタート地点です。

2. 一眼レフの特徴

似顔絵 デジタル一眼レフカメラを始めるには、いったい何を買えばよいの? パッケージの中には何が入っている? そもそも「一眼レフ」とは? コンパクトタイプのカメラとは何が違う? デジタル一眼レフカメラを使えば、どんな写真が撮れるようになるの? 素朴ですが、意外に難しい疑問にお答えすることから始めましょう。

デジタル一眼レフってどんなもの?

 写真屋さんで「デジタル一眼レフカメラをください!」と言っても、それだけで話は済みません。メーカーや機種を選ぶのに、まずは一苦労。それに加えて、交換レンズやメモリーカードの種類を選ぶのも一苦労です。さらに加えて、三脚やらカメラバッグなどのアクセサリーを含めると、もう大変。
 デジタル一眼レフカメラは、一台の機械というよりも、周辺のさまざまな機器と連携することでさまざまな写真を撮れる「システム」の中心となる機械です。まるでパソコンみたいですね。細かく考え出すとキリがありません。
 ですから入門用としてはとりあえず、基本的なキットタイプがおすすめです。無理をして高価な機種に手を出すよりも、初心者向けで手ごろな価格帯の機種をしっかり使いこなせるようになりましょう。その方が確実に、満足のいく写真が撮れます。
 ここではまず、デジタル一眼レフカメラのパッケージの中を見てみましょう。

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これは18〜55ミリ標準ズームレンズがセットになった『ニコンD50レンズキット』です。レンズが付属しないタイプでは、交換レンズを別に購入する必要があります。

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カメラとレンズ、ストラップ(右奥)、充電池と充電器(手前両端)、アイピースキャップ(中央)。これらが、写真を撮るために必要な機器です。

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カメラとパソコン(左下)、カメラとテレビモニター(左上)を接続するコード。パソコンで写真を扱うためのソフトウェアが入っているCD(右)です。

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簡単操作ガイド(右)で一通りの操作を覚えられます。使用説明書(左)で、詳しい使い方を知ることができます。いつも手元に置いておきたいものです。

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保証書は、必要事項をしっかり確認して保存しておきましょう。カスタマー登録を行っておくと、さまざまな情報を入手できたり、メンテナンス時も有効です。

メモリーカードがフィルム代わり!

 デジタル一眼レフカメラで、撮影した画像のデータを記録するものが「メモリーカード」です。D50では「SDカード」と呼ばれるタイプが、D70SやD200、D2シリーズでは「CFカード」や「マイクロドライブ」と呼ばれるタイプが使われます。いずれもカメラのパッケージの中には含まれていませんので、別に購入する必要があります。

 メモリーカードは画像データを一時的に記録するもので、何度でも使用できます。画像データはパソコンの中のハードディスクやCDなどに移して恒久的に保存します。

 記録できるデータの容量は、MB(メガバイト)と呼ばれる単位で示されています。さまざまなサイズがありますが、デジタル一眼レフカメラをしっかり使用するためには、128MB以上を2枚以上用意しておくとよいでしょう。

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カメラの機種にあったメモリーカードを別に購入します。必要に応じてサイズを選び、2枚以上用意しておきましょう。

「一眼レフ」って何?

 「一眼レフ」の一眼は、レンズが一つという意味です。レフは、反射を意味するレフレックス(reflex) の略です。一眼レフカメラを英語でいうと、single lens reflex cameraですから、ほぼ直訳ですね。一般的には略して、SLR cameraというようです。

 さて、一眼レフカメラのボディからレンズを外すと、中に鏡が入っているのが見えます。つまり、一つのレンズ(一眼)から入ってきた光を、鏡で反射(レフレックス)して、ファインダー像を観察できるようにしているのが一眼レフカメラ最大の特徴です。

 言葉で読むと面倒ですが、ここが一番肝心なところです。

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一眼レフとは、一つのレンズ(一眼)から入ってきた光を、鏡で反射(レフレックス)して、ファインダー像を観察できるようにしています。この時点では撮像素子(緑色の部分)に光は当たっていませんから、写真は撮れません。

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コンパクトデジタルカメラのように、撮影中に液晶モニターで画像を確認することはできません! ただ、ファインダー像を観察することで、被写体の細部をしっかり確認できたり、撮影のタイムラグが少なくなるのです。

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シャッターボタンを押すと、鏡が跳ね上がり、シャッター幕が開いて、撮像素子に光が当たります。ここで初めて写真が撮影できます。撮影できているこの瞬間は、ファインダー像は見えなくなってしまうことにも注目しましょう。

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デジタル一眼レフカメラでは、写真を撮影し、画像データが作られた後で初めて、背面の液晶モニターに画像を表示できます。

デジタル一眼レフでどんな写真が撮れるの?

 プロの写真家のほとんどすべてが一眼レフカメラを使っています。ここから考えると、一眼レフカメラを使えば、どんな写真でも高品位に撮影できることになります。ただ、勘違いしてほしくないのは、プロが使っているような高級なカメラを使えばいい写真が撮れるわけではないということです。いい写真を撮るためには被写体の知識や写真の撮り方の工夫こそが必要です。冒頭に、まずは初心者向けの機種を使いこなしましょうと書いたのは、こうした理由からです。

 ここで、デジタル一眼レフと他のタイプのカメラとの違いを整理しておきましょう。

フィルム一眼レフカメラとデジタル一眼レフカメラ

 写真を撮る操作自体はほぼ同じです。フィルムを使うかデジタルデータを使うかの違いだけです。画質も、今日的にはほぼ同じレベルと考えていいでしょう。しかし、デジタル一眼レフカメラでは、撮影後にすぐに画像を確認できること。さらにフィルム・現像処理が不要なことの二つは決定的に違います。

 すぐに画像を確認できますから、基本的な操作をマスターしておけば、失敗を恐れずに撮影できます。難しい撮影でも、テスト撮影しておけばいいですから。さらに、フィルム代・現像代が不要ですから、いくらでもシャッターチャンスを狙えます。

 これだけでも、十分革命的なことだと思います。

コンパクトデジタルカメラとデジタル一眼レフカメラ

 コンパクトデジタルカメラとの違いには、スピーディーな撮影ができることと、高画質な画像データが得られることがあげられます。

 たとえば、子どもやペットなど動く被写体を撮影する時には、スピーディーな撮影ができるデジタル一眼レフが決定的に有利です。ピント合わせに必要な時間、シャッターボタンを押してから撮影が終わるまでの時間、画像データを記録する時間など、すべてにおいてスピーディーです。

 画質に関しては、通常のL判や2L判程度ではほとんど違いはわかりませんが、A4サイズ以上のプリントを作成すると明らかな違いがあります。これは画素数だけではなく、撮像素子自体が大きいためです。細かなことをいうなら、デジタル一眼レフカメラは高感度なので暗い場所での撮影でも高画質になること、さらに背景を大きくボカした撮影ができるなどの特徴もあります。

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<11/12>子どもやペットなど、自由に動き回る被写体の撮影では、デジタル一眼レフが大変有利です。スピーディーに撮れるためストレスがなく、フィルム代を気にせずシャッターチャンスを狙えます。

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<13>背景を大きくボカしたり、<14>ブレを活かして動きを表現したりなど、写真表現の広さを堪能しやすいことも、デジタル一眼レフカメラの魅力です。

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<15/16>交換レンズを使うことで、普通では撮れない写真を撮ることもできます。<15>ソフトフォーカスレンズ(キヨハラソフトVR50R)を使用。<16>超望遠レンズ(ニッコールVR80〜400ミリ)を使用。

3. カメラを触ってみよう

似顔絵 『簡単操作ガイド』などを見れば、デジタル一眼レフカメラで一通りの撮影ができるようになります。一通り撮れるようになったら、次のステップに進みたい! と思うのが人情ですが、ここでちょっと立ち止まり、カメラのさまざまな部分を触ってみましょう。意外に知られていない基本操作に、目からウロコが落ちるかもしれません。

カメラボディを触る

 人によって右利き左利きがあり、手の大きさにも違いがあります。無くて七癖、指遣いのクセもけっこうあるものです。ですから、自分の手にあった持ち方をするのでよいのですが、その前に。やはり基本は基本。

 持ち方が大切なのは、第一に各部の操作をスムーズに行い、第二にカメラをしっかり固定することでブレ(画像が微細に動いて写ること)を少なくし、さらには長時間持っても疲れないようにするためです。

 また、カメラを縦位置に構えることにも、ぜひ慣れていただきたいです。人物や背の高いものを撮影する時などでは、縦位置にするだけで写真の印象がずいぶんよくなります。

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右手だけでカメラを固定できるように持ち、左手はレンズのズームリングを回転できるように添えるのが基本です。

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カメラを縦位置に持つことにも慣れましょう。腕力が弱い方は、カメラを持つ右手を下側にする方が安定するかもしれません。

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右手の人指し指はシャッターボタン周りの操作を、親指はカメラ背面のダイヤルやボタン操作を行います。

 カメラボディの中で触る機会が少ないために、初心者には意外に知られていないダイヤルやボタンには、次のようなものがあります。他にもいろいろなダイヤルやボタンがありますので、一度は使用説明書を読破してみるとよいでしょう。

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露出モード(撮影モード)ダイヤルです。多くのユーザーは、これをオートに合わせて撮影しますが、これをオート以外に設定することで写真撮影が、もっともっと自由に楽しくなります。

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視度調整レバー。ファインダー像を自分の目でしっかり見ることは、写真撮影の基本です。これを自分の目に合わせて調整すれば、ピントばっちりでファインダー像を確認できるようになります。

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フラッシュボタン。カメラ内臓フラッシュを強制的に発光したり、逆に発光させないようにするなど、設定を変える時に使います。フラッシュが勝手にポップアップして仕方がない・・なんてことがないように。

レンズを触る

 レンズは、写真写りを変える最も重要な要素です。将来的にはぜひ交換レンズを何本かお持ちになられることを強くおすすめします。交換レンズを使うことで、今までに撮れなかったイメージの写真が撮れるようになります。これは、カメラボディを変えるよりも確実な方法です。

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ボディはボディキャップ、レンズはレンズキャップで保護されています。意外かもしれませんが、これらの裏側にホコリが付いていると、このホコリがボディやレンズに入り込みます。大切に保管しましょう。

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レンズの取り外しや取り付けは簡単ですが、決して無理な力を加えないようにします。また、レンズ交換は、ホコリなどがないきれいな場所で行うようにします。特にデジタル一眼レフカメラにホコリは禁物です。

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ボディ内部やレンズ表面などには決して触らないようにします。特にボディ内部は極度に精密な機械ですから、注意してください。レンズを外したら、即座にボディキャップを付けるようにします。

ズームリングと絞りリング

 デジタル一眼レフカメラでは、ズーム操作をレンズのズームリングで行います。多くのコンパクトデジタルカメラとは、大きく違います。このズーム操作をスムーズに行えるようになりましょう。また、交換レンズによっては、「絞り」を操作するタイプもあります。

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左手でズームリングを回転することで、ズーム操作を行います。ファインダーを覗きながら、スムーズに回転できるようになりましょう。これが上手くできるようになるだけで、写真のイメージが劇的に変わります。

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ズームは、レンズの焦点距離を変えます。焦点距離とは、ズームリングに記された値のこと。数字が小さい方を「広角/ワイド」といい広い範囲が写ります。逆に数字を大きい方を「望遠/テレ」といい遠くの被写体を大きく写せます。

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絞りリングがある交換レンズでは、数字をもっとも大きい値に設定しておかないと、ボディ側のオート機能が働かなくなります。古いレンズには使用できないタイプもありますので、お客様相談室などにご相談ください。

マニュアルフォーカスを使う

 デジタル一眼レフカメラのオートフォーカス機能はたいへん優秀ですから、マニュアルでピント合わせをする必要性は滅多にありません。しかし、滅多にないからこそ、いざ必要な時にあわててしまうもの。マニュアルフォーカスの方法も一通り知っておきましょう。

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ボディ側のフォーカスモードダイヤル。AFはオートフォーカス、Mはマニュアルの略です。これをMにすると、オートフォーカスは作動しません。マニュアルフォーカスの交換レンズを使う場合などに設定します。

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レンズ側にもフォーカスモードを切り換えるスイッチがあるタイプがあります。ボディ側のフォーカスモードがAFでも、こちらをMにするだけで、マニュアルフォーカスにできます。

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レンズのフォーカスリングを回転すれば、マニュアルでピント合わせができます。ファインダー像を見ながらフォーカスリングを回転し、ピントが合ったりボケたりするようすを確認してみてください。

液晶モニター周りの操作

 デジタルカメラ最大の特徴が、背面の液晶モニターです。撮影した画像を見るだけでなく、写真を比較したり、拡大表示をしてピントを確認したり、あるいはさまざまな機能の設定を行うインターフェースの役割も果たします。

 あまりに機能が多すぎて使い切れないと不安に思われる方も少なくないでしょうが、心配ありません。初心者のうちは自分が必要とする機能だけをしっかり覚えておけばよいのです。

 ここには、ちょっとしたポイントだけを簡単に紹介しておきます。

再生と削除

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再生ボタンを押すと、画像を確認できます。上下左右のマルチセレクターを操作すれば、画像データを表示したり、前後のカットに切り換えたりできます。最も基本となる操作ですから、一通り動かして覚えましょう。

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サムネイルボタンを押すと、4コマ、9コマ、1コマの表示を切り換えられます。画像イメージの比較が簡単にできますので、削除する画像を選んだりする場合などに便利です。

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ごみ箱ボタンを2回押すことで、選択した画像を削除できます。いったん消去した画像データは、基本的には復元できませんから、うっかりミスのないよう確認画面がでます。

拡大表示

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虫眼鏡マークの拡大表示ボタンを押すと、再生画像を拡大表示できます。ピントの確認をするのに便利な機能ですから、使えるようになっておきましょう。

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拡大率は、画像サイズ(画素数の設定)や機種によって異なりますが、最大に拡大することでピントやブレをしっかり確認できます。

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マルチセレクターを操作することで、拡大する部分を動かすことができます。画面の端も拡大表示できます。

メニューを見る

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メニューボタンを押すと、さまざまな機能の名前がでてきます。初めから全てを理解することなど不可能です。少しずつ覚えていきましょう。

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D50など機種によっては、ヘルプボタンが付いています。これにより、メニューの内容が簡単にわかります。

4.カメラまわりの機材

似顔絵 デジタル一眼レフカメラには、さまざまなアクセサリーがあります。これらは、必ず使う物ばかりではありませんが使い方を一通り確認しておきます。さらに、追加して購入しておくと便利なアクセサリーも少しだけ紹介しましょう。また、ボディやレンズなどのメンテナンス方法も整理しますので参考にしてください。

カメラについているアクセサリーなど

 カメラのパッケージの中には、ぱっと見ただけでは、どうやって使うのかわからないアクセサリーもいくつか入っています。実際に使ってみると意外に便利なこともありますので、一通り知識として学んでおきましょう。

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アクセサリーシューカバー。外付けのスピードライトを付ける部分のカバーです。無くなっても問題ありませんが、接点の保護用に付けっぱなしにしておきます。

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ファインダー観察時に外の光をカットする接眼目当て(左)と、セルフタイマー撮影時に露出値が誤作動することを防ぐアイピースカバー(右)です。

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ボディ左側の端子カバー内には、パソコンやテレビに接続する端子や、外部から電源を供給するDC入力端子があります。

あれば便利なアクセサリー

 絶対必要というわけではありませんが、あれば便利なアクセサリーは次のようなものです。撮影目的や予算に合わせてご購入を検討してください。

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(製品写真)リモコン。セルフタイマー代わりに使ったり、カメラのブレを最小限に抑えるためのケーブルレリーズ代わりに使うことができます。

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カードリーダー&ライター。カメラとパソコンを接続しなくても、カードリーダー&ライターを使えばメモリーカードから画像をパソコンに転送できます。さまざまなメモリーカードに対応しているのも魅力です。

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ACアダプターと予備の電池。撮影だけでなく、カメラのメンテナンスなどにも必要なことがあります。

カメラとレンズのメンテナンス

 ホコリのない場所で、ゆっくり落ち着いて撮影できれば、トラブルなど起きないはずですが、現実はなかなかそうもいきません。うっかりレンズ表面に触ったり、ホコリが入ったりすることも、決して少なくないのです。そうした時に一番安心なのは、サービスセンターに持ち込んで専門家に手当てしてもらうことですが、そうとばかりもいかないのも現実です。基本的なメンテナンスは、自分でできるようになっておくことも大切です。

 カメラやレンズのクリーニング用品はカメラ用品店で入手できます。

ボディとレンズの日常的な掃除

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ボディ外観にはデコボコがありますから、長く使っていると凹んでいる部分にホコリなどがたまります。細かな部分は柔らかい筆を使います。他の部分は、柔らかい布などで掃除します。

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ボディの中のミラーについた小さなホコリは撮影自体に影響はありません。気になる場合でも、ブロアで軽く吹き飛ばす程度にしておきましょう。ミラーには決して触ってはなりません。

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レンズのホコリもブロアで吹き飛ばします。レンズについたホコリは、カビの原因にもなります。レンズ表面だけでなく、レンズの後ろ側もきれいにし、さらにレンズキャップの裏側も掃除しておきましょう。

レンズに指紋などがついた時は?

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まず、ホコリをしっかり落とします。クリーニングペーパーを尖らせて、一つずつ確実に落としましょう。ホコリがついていると、この後の掃除で却って表面を傷つけてしまうことがあるからです。

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レンズクリーニング液をレンズクリーニングペーパーにほんの少量だけつけて掃除します。大量に付けたり、クリーニング液をレンズに直接垂らしたりしてはいけません。

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クリーニング液でやさしく円を描くように掃除した後で、新しいクリーニングペーパーを使って拭き取ります。軽く息を吹きかけながら、クリーニングの跡が残らないようにします。

撮像素子(ローパスフィルター)のホコリを取る!

注意!
 撮影した全ての画像の同じ部分に影のようなモノが写る原因の多くは、撮像素子の表面にあるローパスフィルターにホコリなどが付着したためです。このホコリは自分で掃除することができますが、使用説明書を再確認しながら手順をしっかり守って行ってください。できればサービスセンターに掃除を依頼することをおすすめします。

 また、撮像素子の表面(ローパスフィルター)には絶対に、手や布などを触れないでください。しつこい汚れの場合には、迷わずサービスセンターに依頼しましょう。

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ACアダプターを使って電源供給を行うか、完全に充電した充電池を使ってから、メニュー内の「クリーニングミラーアップ」を選択します。

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ブラシのないブロアでホコリを吹き飛ばします。飛んだホコリが再び付かないよう、カメラを下向きにしておくとよいです。

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スプレー式のエアダスターは絶対使ってはいけません。細かな汚れを大量に付ける可能性があります。

三脚を使おう!

 いいカメラを使っているのになぜかピントがはっきりしないとか、室内や夜景の撮影が上手くできないとか、小さな花の写真などがきれいに撮れないといった原因のほとんどは、カメラを手持ちで撮影しているためです。

 カメラを三脚にしっかり固定するだけで、光の条件が悪い場所でも、小さな物を撮影する時でも、シャープな写真を簡単に撮影できるようになります。

 デジタル一眼レフカメラはある程度大きく重く、しかも高価なものです。軽い三脚を使った場合、余計不安定になり、転倒してカメラが壊れる可能性は大きくなります。カメラに適した十分な強さと重さのある三脚をお使いください。

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カメラの底にある三脚ねじ穴を使って固定します。三脚への取り付け方法は、三脚によって異なります。これは取り外しがワンタッチなクイックシュータイプです。

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カメラを固定する部分を雲台といいます。カメラの向きや高さをなめらかに調整できるタイプがおすすめです。

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カメラと三脚のバランスも考えましょう。デジタル一眼レフカメラには、十分な強さと重さのある三脚を使用することをおすすめします。

最後に

似顔絵 デジタル一眼レフカメラを使うための基本を一通り説明してきました。意外に気づかなかったコツの一つでも発見できればよいのですが、いかがでしょうか。これから購入を検討している方には、不安の一つでも解消できればと思っています。

2.画素数と画質の知識

デジタル一眼レフ入門

2.画素数と画質の知識

1. ごあいさつ

ごあいさつ

 画素数、記録サイズ、画質モード・・・JPEG、RAW・・・輪郭、階調、彩度・・・デジタルカメラを使おうとすると、今まで聞いたことのない言葉がたくさんでてきます。こうした言葉の意味をしっかり理解しておきましょう。そうすることで、デジタルカメラを使う時の不安の多くが解消され、合理的な選択ができるようになります。

2.そもそも画素って何?

似顔絵 デジタルカメラを購入する時、何となく画素数の大きなカメラを選びませんか? また、お手持ちのカメラを使う時も、最大の画素数の設定にしていたりしませんか? 画素数は、大きければ大きいほど、きれいな写真が撮れる! と誰もが心の奥底で信じています。でも、本当はどうなのでしょう? ここでは、画素を見ることからスタートし、画素数の意味を正しく理解します。

画素を見てみよう!

 パソコンで写真を見るソフトウェア、例えばニコン・ピクチャープロジェクトやニコン・ビューなどを使って、自分が撮影した画像を開いてみましょう。そしてその画像をどんどん拡大表示してみます。最大倍率(800%くらい)まで拡大し、さらに画面の一部をよく観察すると、単一の色と濃さを持つ格子が見えてきます。  この四角い升の一つが、1画素=1ピクセルです。

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ニコンビュー(ニコンブラウザ)を使って写真を開いたところです。ウインドーに合わせて表示にすると、写真画面の全体を表示できます。

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800%表示でここまで部分拡大ができました。この画面の一部を観察してみます。

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部分を見ると、画像が単一の色と濃さをもつ格子でできていることが分かります。この四角い升の一つが1画素です。

 画素とは、デジタル画像を構成するための、単一の色と濃さをもつ四角い升であることが分かりました。ここで、画素数とは何か考えてみましょう。
 デジタルカメラの撮影メニューには「記録サイズ」という項目があります。ニコンD50では、L(3008×2000)、M(2256×1496)、S(1504×1000)の3種類を選べます。

 例えば、Lサイズですと、画像の長辺の画素の数が3008個、短辺の画素の数が2000個、という意味です。つまり、長辺3008個×短辺2000個≒全部で6000000個=600万画素=6Mピクセル(このMはメガと読み、10の6乗を意味しています)という計算になります。MサイズとSサイズについても計算してみてください。

 何百万画素とか何メガとか言われると、それだけでスゴイ感じがするものですが、実は画面の中にある四角い升の数を数え上げただけの数字なのです。

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ニコンD50の「記録サイズ」はLMSの3種から選択できます。それぞれの画素数は、ほぼ600万、300万、150万です。

 ちょっとここで、画素数を「記録サイズ」と読んでいることに注目しておきましょう。1画素の四角い升の大きさが同じだとすると、画素数が大きいほど、大きな画面になります。だから「記録サイズ」と読んでいるのです。
 画素数が大きいと画質がいい、と良く言われますが、これは、同じ画面サイズにするなら画素数が大きいほど1画素の四角い升が小さくなるために、きめ細かな再現ができる、という意味です。

画素数とプリントの画質

 ニコンD50の使用説明書には、『Lで約38×25センチ、Mで約29×19センチ、Sで約19センチ×13センチのプリントが作成できます。この時の画像解像度は200dpiです』と表組みで記されています。

 画像解像度が、きめ細かさを現す数値です。単位のdpiは「ドット・パー・インチ」と読み、1インチ(約2.5センチ)あたりの画素数を意味しています。
 つまり、600万画素のLサイズでは、画素数が3008×2000ですので、これらを画像解像度の200で割ると、約15×10インチ≒約38×25センチという具合に計算できます。

 画像解像度の200dpiは、写真画質として十分な数値で、一般的なプリンタの性能ともバランスがとれています。しかし、実用を考えるならこれよりも低い値にしても十分です。逆に、さらなる高画質を望むなら高い数値をとる必要があります。

 ここでちょっと考えていただきたいのは、実際にプリントを作る大きさです。家族や旅行の記念写真の多くは、せいぜいA5サイズが上限で、たいていはL版(A6)ではないでしょうか。そうすると、B4サイズまでプリントできる600万画素など、過剰すぎる画素数といえるのです。

 記録サイズの設定は必要に応じて小さくしておきましょう。こうすることで、撮影がスピーディになったり、撮影カット数を増やせたり、データ処理の時間短縮を図れたり、パソコンの画像保存を快適にするなどのメリットがあるからです。

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<05>写真を遠目に見るなら、記録サイズが何であろうと違いは分かりません。部分を拡大して初めて、きめ細かさの違いが分かります。
<06>A4プリントの場合、Sサイズ(150万)画素でも十分な画質があるように感じることもあります。
<07>75万画素以下の画像データからA4プリントを作成すると、さすがに画素の格子が見えてきます。

画素数とモニタ表示

 デジカルカメラで撮影した画像データは、パソコンで見たり、ホームページやブログに掲載して使うだけ。といったユーザーも少なくないでしょう。このような用途の場合に必要な画素数はどのくらいなのでしょうか。
 ここでまず、モニタそのものの画素数を考えておきます。お手許にルーペがありましたら、パソコンモニタの表面を拡大して観察してみましょう。摩訶不思議なことに、そこには赤・緑・青の光のツブツブだけが並んでいるだけです。たった3つの色の明るさだけで、いろんな色が再現されているのですね。この赤・緑・青の光の1セットが、モニタの1画素に相当します。

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パソコンモニタを拡大すると、赤・緑・青のツブツブが見えます。これらの1セットが1画素に相当します。

 さて、モニタ全体の画素数とはいくらくらいあるのでしょうか。実は、パソコンモニタなどには画素数の異なるいくつかの規格があり、代表的なものを下に整理しました。ちょっと注意しておいて欲しいのは、この画素数はパソコンモニタのフル画面の画素数だということです。

 SXGA(高精細なパソコンモニタ)1280×1024≒約130 万画素
 XGA(最も一般的なパソコンモニタ)1024×768 ≒約78万画素
 VGA(一般的なテレビモニタ)640 ×480 ≒約30万画素

 最も一般的なパソコンモニタでは、画面全体で78万画素しかありません。つまり、600万画素の画像データの1画素を、モニタの1画素に正しく割り当てる(100%、1:1、ピクセル等倍表示)と、画像の一部分(約1割)しか表示されません。

 単純に考えて、パソコンモニタの半分の面積で写真を表示するのでも、78万÷2=39万画素で済むことになります。つまり、パソコンで写真を見たり、ホームページやブログに掲載するためだけなら、数十万画素もあれば十分なのです。

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600万画素の画像データを100%(1:1、ピクセル等倍)表示にすると、画面の一部分しか表示されません。

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一般的なXGA規格のモニタはフル画面で約78万画素しかありません。ウィンドウ枠などを除けばさらに少なくなります。このため約30万画素の写真でも画面の半分くらいの面積を占めます。

3.画質モードを選択する。

似顔絵 撮影メニューの中で「記録サイズ」とならんで分かりにくいのが「画質モード」です。記録サイズは画素数を設定するものでしたが、画質モードとは何なのでしょう。
 単純にいえば、画像データの「形式」と「圧縮率」を設定するものですが、まずはどんな選択肢があるのか見てみましょう。

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ニコンD50の選択肢があります。機種によっては異なるモードもありますが、基本は同じです。

 画質モードの選択肢について簡単に整理しておきましょう。

●RAW(ロー)・・撮像素子から取り出された電気信号をデジタル化しただけのデータです。RAWとは「生の」という意味の英語ですから、生データと呼ぶこともあります。詳細は、RAWデータを使う。で説明します。

●FINE/NOMAL/BASIC・・いずれもJPEG(ジェーペグ)圧縮を施した画像データです。圧縮率は、前者より1/4、1/8、1/16となり、圧縮率の高いBASICの方がファイルサイズが小さくなります。詳細は、JPEGを使い分ける。で説明します。

●RAW+BASIC・・同時に二つの形式で記録するモードです。

●これら以外に、TIFF(ティフ)と呼ばれる形式を使っている機種もあります。これは、JPEG圧縮をしないで画像データを保存したものです。

JPEGを使い分ける。

 写真などの画像データは、文字や数字のデータとは異なり、ファイルサイズが著しく大きくなる傾向があります。このため、データ圧縮という技術を用いることで、ファイルサイズを小さくして扱いやすくする必要があります。

 データ圧縮にはさまざまな方式がありますが、写真の場合には、写真らしい画質を失わずに、ファイルサイズを小さくする必要があります。このために開発されたのが、JPEG(ジェーペグ)圧縮です。

 JPEGとは、Joint Photographic Experts Groupの略で、静止画のデータの圧縮方式を考案したグループの名前です。これがデータ形式を現す名前として定着しました。

  JPEG圧縮の大きな長所は、写真らしさを失わずにファイルサイズをかなり小さくできること以外に、圧縮率を変えてファイサイズを調整できることがあります。

 逆に短所は、人の目には意識されにくい画像データの成分を少し破棄してしまうことです。圧縮率が高ければ高いほど、破棄するデータの量が増します。このため、圧縮率を高くすればするほど、画質が悪くなってしまうのです。

 このため、FINE/NOMAL/BASICの中で、圧縮率の低いFINEは高画質になり、圧縮率の高いBASICは低画質になります。

 一般的かつ実用的には、中間のNOMALが推奨されています。画像加工を行なうなど高画質なデータが必要な時はFINE。画像を通信で送るなどファイルサイズを小さくしたい場合にはBASICと使い分けましょう。

 では、これらの画質にどのくらいの違いがあるかといいますと、そのまま表示したりプリントするだけでは、ほとんどわからないくらいといっていいと思います。写真の目的や、目の善し悪しもあるでしょうから、できれば一度、ご自身で比較されてはいかがでしょうか。

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FINE/NOMAL/BASICで撮影し、自分で比較してみましょう。

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<13>FINE/NOMAL/BASICでは、モニタ表示やプリントを比較しても違いはほとんどわかりません。

<14>色や濃さの階調が失われたために、背景のグラデーションに年輪のような波模様ができています。

<15>目を皿にして見比べても、よくわかりません。微細な違いも気分のせいかと思える程度です。

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<15>

コラム・極端に圧縮するとどうなる?

 画像加工ソフトを使って、1/64まで極端に圧縮してみました。BASICをさらに1/4にしたのと同等です。ここまで圧縮すると、画質の低下は著しく、実用にも耐えないものになりますが、JPEG圧縮による画質低下とはどのようなものか、はっきり分かります。

<16>輪郭もギザギザになり、画面全体にモザイク状のノイズが現れています。

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RAWを使う。

 RAW(ロー)データは、撮像素子から取り出された電気信号をデジタル化しただけの生データです。ニコンでは、NEF(Nikon Electricimage Fomat)形式といい、他のメーカーの形式との互換性はありません。また、圧縮もしていませんから、データサイズがとても大きくなります。ニコンD50の場合、1カットあたり約4MB以上あり、記録サイズも選択できません。

 「生」という言葉から連想できるよう、RAWデータを「処理」することで初めて画像データが形成されます。

 つまり、RAWデータは画像データを作るための原材料というべきものです。原材料ですから、処理の仕方によって、さまざまな画像データを作り出せます。この処理をするのが、ニコンキャプチャーと呼ばれるソフトウェアです。

 つまり、通常はカメラの中で行なわれる処理を、自分で行なうわけですから、とても手間がかかります。しかし、色や階調などの画質を自在にコントロールできたり、上手く処理をすることでより高画質なデータを得ることも可能です。

 RAWデータは、趣味や仕事を目的とし、最高の画質を得るためのものと考えたほうがよいでしょう。

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ニコンキャプチャーでRAWデータを開いている様子です。

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露出や色、階調再現など、ありとあらゆる画質調整が可能です。

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作成した画像データは、目的にあった形式で保存します。

4.画質を決める要素。

似顔絵 フィルム撮影で、色や階調再現など、いわゆる画質を決定するのはフィルムです。ですから、フィルムの銘柄を変えることで、さまざまな画質を楽しむことができました。

 デジタルカメラでは、カメラの各種の設定を変えることで、さまざまな画質を楽しめます。もちろん、RAWデータを自分で処理することでも調整が可能です。

 こうした設定の中で基本となる、輪郭強調、階調補正、彩度設定について簡単に紹介しておきます。基本的にはオートなどの初期設定のままで結構ですが、撮影目的によって自分自身の好みで設定すれば、オリジナルの画質を楽しめます。

 ニコンD50やD70では、こうした画質調整を目的別に選択できよう「仕上がり設定」と呼ばれるコマンドがあります。こうしたコマンドも実は、輪郭強調、階調補正、彩度設定をそれぞれ目的別に最適化し登録したものです。

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ニコンD50の「仕上がり設定」。目的別に画質を設定できます。この中の「カスタマイズ」を使えば、それぞれの設定を単独に調整することも可能です。

輪郭強調を使う。

 輪郭強調とは、読んで字の如くで、輪郭をはっきりするかどうかを設定するもので、シャープネスということもあります。
 建築や風景写真などをシャープに、つまり輪郭をはっきりさせて写す場合は、強く。
 ポートレートなどで輪郭をソフトにしたい場合は、弱くします。

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輪郭強調は、標準を中心に、−2、−1、0、+1、+2の5段階で設定可能です。初期設定は、A(オート)です。

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<22>輪郭協調を−2(弱め)に設定したもの。ソフトな印象です。

<23>輪郭強調を+2(強め)に設定したもの。輪郭がシャープになりました。

階調補正を使う。

 階調とは、陰影や色の変化のことです。階調が豊富と言えば、なめらかな変化があり、コントラストが弱いことを指します。逆に、階調が少ないと言えば、白黒や色がはっきりして、コントラストが強いことを指します。
 例えば曇った日は、コントラストが弱いですから、階調補正を強めに設定することで、メリハリのある画面になります。逆に、直射日光が当たっている場合は、陰影がはっきりしておりコントラストが強いですから、階調補正を弱めにすることで、ハイライトの白トビやシャドーのツブレを抑えることができます。

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階調補正も、標準を中心に、−2、−1、0、+1、+2の5段階で設定可能です。初期設定は、A(オート)です。

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<25>コントラストを弱めに設定すると、真っ白や真っ黒の階調もゆるやかに再現されます。

<26>コントラストを強めに設定すると、メリハリのある画質になります。

彩度設定を使う。

 彩度とは、色の鮮やかさの度合いといった意味です。彩度が弱いとは、鮮やかさが抑えられ落ち着いた地味な色調を指します。逆に、彩度が強いとは、鮮やかさが強調された派手な色調であることを指します。

 彩度設定は、こうした鮮やかさを微妙に調整できます。

 中間色の印象を強くするには、彩度を弱くします。逆に、原色を鮮やかに見せたい場合には、彩度を強くします。

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彩度設定は、標準と弱い(−)、強い(+)の3種から選択できます。

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<28>彩度を弱くに設定すると、ほんの少しモノトーンな印象になります。

<29>彩度を強くに設定すると、鮮やかさが少し増します。

最後に

似顔絵 画素数から始まり、画質モードや、さまざまな画質設定を学んできました。オールマイティな設定ということで言えば、カメラの初期設定のままでokです。しかし、撮影目的や写真の使用目的に合わせて設定すると、普通では撮れないイメージにすることができます。少しずつ、使い慣れていきましょう。

3.ピントを理解しよう

デジタル一眼レフ入門

3.ピントを理解しよう

1. ごあいさつ

ごあいさつ

デジタルカメラのほとんどはオートフォーカス機能を搭載していますので、皆さんは特に意識しなくてもそれなりにピントの合った写真が撮影できているでしょう。それでも、目的の被写体に上手くピントが合わなかった経験はありませんか。ピントを上手く合わせるにはどうしたら良いのでしょうか。このためにまず、ピントとは何かを理解するところから始めましょう。

2.ピントって何?

似顔絵 ピントとは、日本語で焦点、英語でフォーカスといいます。ピントという単語は、オランダ語で焦点を意味するbrandpunktが語源のようです。燃える(brand)と点(punkt)で「焦点=焦げる点」、punktから「ピント」といった具合ですから、分かり易いですね。

ピンボケとブレ

 ピントがはっきり合っていない状態を、一般的にピンボケといいます。しかし実は、ピントが合っていないのではなく、撮影中にカメラや被写体が動いたために、画像がブレて(ズレて)写ったケースが少なくありません。
 ピンボケとブレを見分けるのは、意外に難しいのですが、細部を観察した時に、画像がズレているように感じられるものはブレと判断して良いでしょう。

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<01>カメラブレの写真です。花びらの部分を観察すると、斜め横にズレたように写っていることがわかります。
<02>ピンボケの写真です。マニュアルフォーカスでわざわざピンボケにしました。
オートフォーカスでは、このようなピンボケ写真は撮れません。

 カメラが動いた場合は画面全体がズレたように写り、被写体が動いた場合は動いた被写体だけがズレたような写真になります。

撮りたい被写体にピントを合わせるのが基本。

 ピンボケが気になるのは、写っている被写体をもっと見たい、と思う場合です。極端な話をするなら、被写体や写真のイメージに関心がなければ、ピントが合っていようがいまいがどちらでも良いのです。
 つまり、自分が撮りたいと思う被写体、あるいは写真を通して人に見せたいと思う被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本です。何にピントを合わせるか?は写す人の気持ちが決めるものですから、カメラのオート機能ですべてが上手くいくとは限らないわけです。ここが、ピント合わせをマスターするスタート地点です。

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<03>ひまわりにピントが合っています。ひまわりの細部もしっかり見えますね。
<04>背景にピントが合っています。通常はひまわりを見たいと思うでしょうから、ピンボケはイライラの原因。

背景のボケ方が変わる?

 被写界深度という言葉をご存じですか?被写界深度とは、ピントが合う前後の範囲を示したもので、レンズの絞りによって調整することができます。つまり、同じ被写体にピントを合わせながら、背景のボケ方を変えることができるのです。特に、背景を大きくボカす写し方は、一眼レフならでは。コンパクトタイプのデジタルカメラでは大きくボカすことはできません。詳しくは別の機会(6回目)に説明しますので、お楽しみに。

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<05>ピントはひまわりに合わせていますが、背景もわりあいシャープに写っています。これを被写界深度が深い、といいます。
<06>ピントはひまわりだけに合い、背景は大きくボケています。これを被写界深度が浅い、といいます。

3.ピントはどこに合う?

似顔絵 オートフォーカス(AF/自動焦点)とは、カメラが自動的にピントを合わせてくれる機能です。最近のカメラのオートフォーカス機能は非常に優秀で、人が手動で合わせるよりもスピーディで正確なピント合わせが可能になっています。このため、この機能を上手く使いこなすことこそが、写真上達への早道です。
 その最初のステップとして、ピントはどこに合うのか、をしっかり理解しましょう。

ピントは「平面」に合う!

 基本は撮りたい被写体にピントを合わせるというと、その被写体だけにピントが合うようなイメージを抱きがちになるのですが、実際には、ピントは平面に合います。
 分かりにくいと思いますので、次の写真を見ながら、頭の中で立体的にイメージしてください。横並びの被写体にはすべてにピントが合い、配置の違う被写体はピント面からズレるほどボケることがわかります。

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<07>ピントは平面に合います。

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<08>横並びの被写体は全てピントが合います。

 <07>は横並びのひまわりを撮影しています。ピントは、ピンク色の平面に合います。つまり、ピンク色の平面上にある被写体は全てピントが合って写ります。この平面のことを「ピント面」などといいます。ちなみに、フォーカルプレーンシャッターのフォーカルプレーンはカメラ内部の「ピント面」のことです。

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<09>ピント面からズレた被写体はボケます。

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<10>手前と奥の被写体はボケて写ります。

 <09>は前後に配置がズレたひまわりを撮影していますが、この場合のピントは、中央のひまわりだけに合い、手前と奥のひまわりはボケて写ります。ピント面からの配置の距離のズレが大きいほど、ボケが大きくなります。また、レンズの絞りによっても、ボケ方(被写界深度)が変わります。

思い通りにピントを合わせる(1)

 ニコンDシリーズなどのカメラのファインダー内には、ピント合わせの目標となる「フォーカスエリア(フォーカスフレームとも)」が数カ所あります()。
これにより、画面の中のどの被写体にピントを合わせるかをユーザーが自由に選択できるわけです。
 つまり、画面の中で最も撮りたい、最も人に見せたい被写体に、このフォーカスエリアを合わせるだけで、思い通りにピントを合わせることができます。
 これはデジタル一眼レフカメラでのピント合わせの基本中の基本ですので、ぜひマスターしておきましょう。

ニコンD50、70、100などは、画面内に5箇所。D200、D2シリーズでは、11箇所のフォーカスエリアがあります。ここでは、操作を分かりやすく示すために、グリーンの色で3箇所だけを描いています。
AFエリアモードが「至近優先ダイナミックモード」(後述)になっている場合には、フォーカスエリアの選択はできません。
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マルチセレクターボタン。上下左右に操作することで、フォーカスエリアを自由に選択できます。

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左側のフォーカスエリアを選択すると、奥のひまわりにピントが合います。

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中央のフォーカスエリアを選択すると、中央のひまわりにピントが合います。

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右側のフォーカスエリアを選択すると、手前のひまわりにだけピントが合います。

思い通りにピントを合わせる(2)

 フォーカスエリアの選択がスピーディにできるようになると、撮影の自由度が格段に広がります。しかし、構図を優先して撮影する場合など、ピントを合わせたい被写体がフォーカスエリアに上手く重ならないことも考えられます。
 このような場合には、フォーカスロックという機能を使います。操作自体は簡単で、シャッターボタンを半押しするだけです()。 これも大変よく使う操作ですので、練習しておくと良いでしょう。

AFモードをC(コンティニュアス)に設定している場合には、シャッターボタンではなく、AFロックボタンを操作します。
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ピントを合わせたい被写体にフォーカスエリアを合わせます。

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シャッターボタンを半押し、あるいは、AFロックボタンを押しするとレンズのピント位置がロック(固定)されます。

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構図をずらして、シャッターボタンを押します。ピントは平面に合いますから、構図を横にズラしただけでは、ひまわりはボケません。

(どのフォーカスエリアでもフォーカスロックができますが、ここでは画面中央のフォーカスエリアで説明しています。)

4.オートフォーカスの設定。

似顔絵 先にも述べましたが、デジタル一眼レフカメラのオートフォーカス機能はとても便利な機能です。手動(マニュアル操作)よりも、スピーディで正確なピント合わせができますし、フォーカスモードなどの設定も、自動的に最善の設定になります。
 しかし撮影目的によっては、設定を自分なりに変えることで、よりスピーディでストレスのないピント合わせができるようになりますので、ちょっと細かな設定ですが習得しておくと便利です。

通常撮影はカメラ任せで。

 オートフォーカスの設定には、「AFモード」と「AFエリアモード」の二つがあります。
 AFモードは、オートフォーカスの作動方式を選択するもので、AF-S(シングル)、AF-C(コンティニュアス)、AF-A(オート)があります。一般的な撮影では、SとCを自動的にカメラが選択してくれるAF-Aモードがおすすめです。
 AFエリアモードは、数カ所あるフォーカスエリアの情報をどのように利用するかを設定するもので、シングルエリアAFモード、ダイナミックAFモード、至近優先ダイナミックAFモードがあり、カメラの露出モードの設定によって、もっとも適したモードに自動設定されます。全自動モードや多くのイメージプログラムモードでは、至近優先ダイナミックモードに設定され、すべてのフォーカスエリアの中でもっとも近い被写体にピントが合うように作動します。

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AFモードの選択。AF-Aモードに設定しておくと、AF-SとAF-Cを自動的に選択します。

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AFエリアモードの選択。カメラ任せで撮影する場合には、至近優先ダイナミックモードがおすすめです。

動かない被写体を撮る場合の設定。

 風景写真や花の写真、人物撮影でも動きがあまりない場合には、AF-Sモード+シングルエリアAFモードの組み合わせが最適です。
 AF-Sモードによって、シャッターボタンの半押しでフォーカスロック操作ができます。また、ピント合わせが確実に行われないとシャッターが切れないので、ピンボケになることが少なくなります。
 シングルエリアAFモードで、フォーカスエリアを一つだけ選択できますので、ピントを合わせたい被写体をピンポイントで選べます。

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AF-S(シングルAFサーボ)を選択。ピントを優先した撮影に適しています。

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シングルエリアAFモードの選択。数カ所あるフォーカスエリアから、一つだけのフォーカスエリアを自由に選択できます。構図を優先した撮影に適しています。

動く被写体を撮影する場合の設定。

 スポーツの撮影や、子供やペットなど、被写体が自在に動きまわる場合には、フォーカスエリアを選択するだけでも大変です。もちろん、手動でピント合わせをするなど、至難の業といって良いでしょう。
 このような場合には、AF-Cモードに設定して連続的にオートフォーカスを作動させ、さらに複数のフォーカスエリアから得られる情報を有効に使ってピント合わせができるダイナミックAFモードに設定しておくのが良いです。

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AF-C(コンティニュアスAFサーボ)を選択。常にオートフォーカスが作動するため、動く被写体に最適。また、ピントが合っていなくても、シャッターが切れるため、シャッターチャンスを優先した撮影ができます。

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ダイナミックAFモードを選択。フォーカスエリアを選択できるだけでなく、その周辺のフォーカスエリアの情報を使ってピント合わせを行います。動く被写体の追いかけながら、スピーディなピント合わせができます。

最後に

似顔絵 さてこれで、ピント合わせの疑問や不安はかなり少なくなったのではないでしょうか?頭で理解するだけでなく、フォーカスエリアの選択と、フォーカスロックの二つの機能だけは、ぜひともスピーディに使いこなせるようになってくださいね。

4.ズームを使いこなそう

デジタル一眼レフ入門

4.ズームを使いこなそう

1. ごあいさつ

ごあいさつ

デジタル一眼レフカメラの基本セットには、標準的なズームレンズがついています。ズームとは広い範囲を画面に収めたり、逆に遠くの被写体を大きく写したりする機能です。誰でも自然に使える機能ですが、ちょっとしたコツを知ることで、レンズの特徴をうまく活かした撮影ができ、一段と見栄えのする写真を撮影できるようになります。そんなコツを一通り紹介しましょう。

2.ズームの基本。

似顔絵

 前述したようにズームとは、画面に写る範囲を変えることができる機能です。広角(W/ワイド)にすると広い範囲を画面に収めることができ、望遠(T/テレ)にすると遠くを大きく写すことができます。

焦点距離の数字を確認しましょう。

 ズームによってレンズの何が変わるかというと、レンズの焦点距離が変わります。焦点距離は単位がミリメートルの数字で示されていますが、小さい方が広角、大きい方が望遠とだけ覚えておきましょう。数字が小さくなればなるほどさらに広角になり、より広い範囲を画面に収めることができます。これとは逆に、数字が大きくなればなるほどさらに望遠になって、遠くの被写体をさらに大きく写せます。スタジアムなどでスポーツを撮影するプロフェッショナルカメラマンは、300ミリとか400ミリといった超望遠レンズを使っています。

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<01>
数字が小さい側を「広角」と呼びます。広い範囲を写すには、この数値が小さいレンズが適しています。

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<02>
数字が大きい側を「望遠」と呼びます。遠くの被写体を大きく写すには、この数値が大きいレンズが必要です。

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さまざまな焦点距離の交換レンズを使えることは、一眼レフカメラ最大の特徴です。

POINT

※ここがポイント!
 ニコンの一眼レフシステムは、フィルム時代のレンズの多くを、デジタル一眼レフカメラにも使用できるのが特徴です。ただ、フィルムよりも撮像素子が小さいために、同じレンズを使用すると、デジタル一眼レフの方が焦点距離が約1.5倍の望遠レンズになります。遠くを大きく写したい方には、メリットが大きいですね。

基本的なズームの効果を理解しましょう。

 ズームの機能については、コンパクトデジタルカメラもまったく同じですから、誰でもごく自然に使うことができます。繰り返しになりますが、広角では広い範囲が写り、望遠では遠くが大きく写ります。言い方を変えると、広角では遠くが小さく写り、望遠では狭い範囲が写る、ということです。同じことを言い方を変えただけですが、かなりニュアンスが変わりませんか?

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被写体とカメラの距離を変えずにズームを調整して撮影します。

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広角で撮影すると、広い範囲が写り、目的の被写体は小さく写ります。

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望遠で撮影すると、狭い範囲だけが写るため、目的の被写体が大きく写ります。

ズームの醍醐味を知ってください。

 ズームの操作に慣れたら、今度は逆に、ズームを広角か望遠いずれかにに固定して、自分自身が被写体に近づいたり、遠ざかったりして撮影することを目標にしてください。まずは、広角で近づいて撮影した写真と、望遠で遠ざかって撮影した写真を見比べてみましょう。同じ被写体を写しているにも関わらず、印象が決定的に異なるイメージになることに驚かれるはずです。これこそが、ズームの醍醐味なのです。

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広角で近づき、望遠で遠ざかって撮影してみます。何が変わるでしょう。

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広角で近づいた写真です。遠近感が強く、飛び出してきそうな迫力があります。

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人物の背景がすっきりして、まるでスター選手のポートレートのようです。

3.望遠レンズを使う。

似顔絵

 基本セットのズームレンズの望遠は実用的には十分ですが、運動会や舞台など、被写体に近づけないシーンではもの足りなさを感じるはずです。このような場合には、ぜひ焦点距離の長い望遠レンズや望遠ズームレンズをお試しください。レンズを交換するだけで、今まで撮れなかった写真が、簡単に撮れるようになります。望遠レンズの使い方のコツを紹介しましょう。(ここで使用したレンズは、135ミリです。)

ブレに注意しましょう。

 望遠レンズを使った場合の失敗の多くは、カメラブレです。望遠レンズは、狭い範囲を大きく写しますから、カメラのほんの少しの動き(ブレ)が、大きく写ってしまうのです。
 カメラブレを抑えるためには、カメラを三脚などに固定するのが一番ですが、手持ち撮影の場合にはISO感度を高く設定し、シャッタースピードを速くするのが効果的です。デジタル一眼レフカメラでは、ISO800くらいまで画質も十分ですから、ぜひ高感度設定をお試しください。

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この写真はなんとなくピンボケのようですが、カメラブレが原因です。

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ISO感度を高く設定すると、シャッタースピードが速くなりますから、ブレが軽減されます。

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ニコンVR(バイブレーション・リダクション)レンズには、カメラブレを低減する機能が搭載されています。

背景のボケを大きくしてみましょう。

 望遠レンズには、背景や前景のボケが大きく写る特徴があります。この特徴をうまく活かすにはまず、ピントを合わたい被写体と、背景や前景との距離の差を大きくしておく必要があります。(詳しくは「3.ピントを理解しよう」のピントって何?の項を参考にしてください。)
 この上で、レンズの絞りを開放に(F値を最も小さく設定)して撮影すれば、背景が大きくボケます。露出モードはA(絞り優先モード)が便利です。

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露出モードダイヤルをA(絞り優先モード)に設定し、コマンドダイヤルでサンズのF値の数字を一番小さい値に設定します。

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F値が大きく設定されていると、背景も割合シャープに写ります。

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F値を小さく設定するだけで、背景が大きくボケます。

動きを表現してみましょう。

 写真は、静止画です。このため、被写体の動きを表現するには、身体の動きのようすをシャープに写す他、ブレを活かして撮影する方法もあります。これらはシャッタースピードを設定することで調整できますので、何度も繰り返し試してみてください。一回や二回撮影するだけで、うまく撮れることは決してありません。何度もチャレンジすることが最大のコツです。露出モードはS(シャッタースピード優先モード)が便利です。

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露出モードダイヤルをS(シャッタースピード優先モード)に設定し、コマンドダイヤルでシャッタースピードを設定します。

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シャッタースピードを速くすると、被写体の一瞬の動きをシャープに写し止められます。

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シャッタースピードを遅くして、被写体をファインダーで追いかけながら撮影すると、動きがブレによって表現できます。

4.広角レンズを使う。

似顔絵

 広角レンズと望遠レンズは、画面に写る範囲が違うだけでなく、他のさまざまな点でも正反対の性質を持っています。一つは、遠近感が強く、形が歪んだような印象に写ること。さらに、背景や前景のボケが小さい、つまり被写体の前後もピントが合っているように写ることなどです。広角レンズをうまく使うには、これらの特徴をよりよく理解しておく必要があります。

被写体の高さにカメラを構えましょう。

 たいていの人は、普通に立っている状態でカメラを構えるものです。このため、広角レンズで子供を撮影する時などは、見下げるような格好になります。結果、意外なほど頭でっかちに写ってしまいます。実はファインダー像でも、このように見えているはずなのですが、撮影している時には気付きにくいものなのです。
 カメラ位置を低くして、カメラが真っ直ぐに立った状態にして撮影することを心がけてください。これだけで形の歪みはなくなります。(ここで使用したレンズは、12ミリレンズです。)

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立った位置で撮影するのではなく、被写体の高さに合わせてカメラの位置を調整しましょう。

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立った位置で撮影したものです。びっくりするほど頭でっかちですが、ここまでやると面白いです。

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被写体のオヘソくらいの高さで撮影すると、形の歪みはなくなりました。迫力あるイメージです。

広角レンズでは、一歩でも二歩でも近づくこと!

 広角レンズは、広い範囲を写します。とういことは、目的の被写体の背後にさまざまな背景が写ってしまうことを意味しています。つまり、画面の中に多くの要素が写り過ぎるために、何を写したかったのかわかりにくいイメージになりがちです。
 一歩でも二歩でも近づいて写すことを心がけましょう。広角レンズを使う最大のコツは、これです。

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何気なく撮影すると、背景にいろいろな要素が写ってしまいます。状況を写すにはよいのですが・・・。

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すっきりした背景を選び、カメラを縦位置にして一歩近づいて撮影するだけで、いい感じのポートレートになりました。

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さらに一歩踏み込んで撮影すると、男の子の感情まで見えてきそうなイメージになりました。

固定焦点撮影を試してみましょう。

 広角レンズは、目的の被写体の前後にもピントが合っているようにシャープに写ります。つまり、ピント合わせはかなりラフでもいいのです。
 ですから、オートフォーカスを解除して、レンズの距離目盛りを「2メートル」などに固定して撮影しても、かなりの確率でピントが合います。この場合には、オートフォーカスの作動を気にする必要がありませんから、被写体も撮影する人もお互い動きながら撮影することも可能です。ぜひ、お試しください。

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レンズやボディのフォーカスモードをM(マニュアルフォーカス)に設定します。

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<26>
距離目盛りを適当に設定します。目盛りがない場合は、ファインダー像で確認しておきます。

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<27>
設定した距離を意識しながら撮影します。ピント合わせの手間がない分、とてもスピーディな撮影ができ、意外な表情を写せます。

最後に

似顔絵

 当たり前に使っているズーム機能に、隠れたコツがたくさんあることがお分かりいただけましたか?
 頭で理解しただけでは、撮影現場で戸惑うかもしれません。一つずつ実際に試しながら、身体で覚えるようにしていただきたいと思います。あっと言う間に、写真の腕が上達しているはずですよ。

5.写真の明るさを変えてみよう!

デジタル一眼レフ入門

5.写真の明るさを変えてみよう!

1. ごあいさつ

ごあいさつ

白い被写体を撮影したのに、なんとなく薄暗い感じに写ってしまったことはありませんか? 多くの人はこの原因を、撮影した場所が薄暗かったためだと思い込みがちです。しかし本当の原因は、被写体が白いせいなのです。写真の明るさは、撮影場所の明るさとは関係なく、カメラの露出補正という機能を使うことで自由自在に調整できます。一度操作してみれば、驚くほど簡単なことがわかるでしょう。ぜひ、最後までお目通しください。

2.露出補正って何?

似顔絵

 ほとんど全てのデジタルカメラに「露出補正」という機能が搭載されています。しかし、これを操作したことのあるユーザーは決して多くありません。難しいから、ではなくて、知らないから、が大きな原因のようです。
 ですからまずは、ご自身のカメラで操作してみましょう。露出補正以外に、「EVシフト」「EV補正」「明るさ」などと表示されている機種もありますが、仕組みは全て共通しています。アイコンは、露出アイコンです。

プラスマイナスの数字を変えるだけです。

 露出補正という言葉は、それだけで専門用語的なニュアンスが強く、特に初心者を悩ませるはずです。単純には、写真写りの明るさを補正(調整)する機能と考えます。具体的な操作はカメラの機種によって異なりますので、使用説明書で確認してください。ただ、プラスマイナスの数字の設定を変えることは、全てのカメラで共通しています。

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<01>
露出モードダイヤルを「P」や「A」、「S」モードに設定します。AUTOモードやイメージプログラムモードでは、露出補正機能が働かない機種が多いです。「M」モードも、露出補正機能は使えません。

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<02>
露出補正機能機能を呼び出し、数字を確認します。ニコンDシリーズの場合は、シャッターボタン手前にある露出アイコンボタンを押します。露出をカメラ任せのオートで調整している場合は、「露出アイコン 0」と表示されています。

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<03>
手元にある被写体(なんでもかまいません)をテスト撮影してみます。普通に撮影できることを確認しましょう。

数字をプラス側に調整すると、写真が明るくなります。

 露出補正機能を呼び出せたら、コマンドダイヤルなどを操作して数字を変え、同じ被写体をできるだけ同じ構図で撮影しなおしてみましょう。
 数字を変えると写真の写り方はどうなるでしょう? カメラのモニタやパソコンのモニタに画像を写し出し、比較してみましょう。

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<04>
露出アイコン +1.0に設定して撮影すると、

05

<05>
写真が明るくなりました。

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<06>
露出アイコン +2.0に設定すると、

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<07>
さらに明るくなりました。

 露出補正の数字をプラス側に大きくすればするほど、写真は明るくなります。まるで光がたくさん当たっている明るい場所で撮影したかのような印象ですね。
 これが、露出補正の魔法です。

数字をマイナス側に調整すると、写真が暗くなります。

 多くのカメラでは、露出補正の数字は、0.3ステップや0.5ステップで設定できます。調整幅は機種によって異なりますが、狭いものでも±2。機種によっては、±5まで調整できます。それぞれ、限界まで調整して画像がどのようになるか確認してみましょう。さて、今度は逆に、露出補正の数字をマイナス側に調整してみましょう。

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<08>
露出アイコン −1.0に設定して撮影すると、

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<09>
写真が暗くなりました。

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露出アイコン −2.0に設定すると、

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かなり暗い印象になりました。

 いかがですか? 同じ明るさの被写体が、露出補正の数字を変えるだけで、明るくも暗くもなることがわかりました。

3.こんな具合に使います。

似顔絵

 写真の明るさは、撮影場所の明るさとは関係なく、露出補正の数字を調整するだけで自在に調整できることがわかりました。
 しかし一体、この機能をどのように使えばよいのでしょう?
 また、カメラの優れたオート機能に任せたままでは、なぜ思い通りの明るさにならないのでしょう?

白い被写体を撮影する時は、プラス側に調整します。

 白い被写体を撮影した時に、なんとなく薄暗く写ってしまうといった失敗は、よく経験するものです。日本人女性の場合は特に、美白の肌が、実物以上に濃く写ってしまう、なんて思われているかもしれません。これらいずれの原因も実は、被写体が白いために、濃く(薄暗く)写ってしまうのです。
 つまり、白い被写体を、白く再現するには、露出補正の数字をプラス側に調整すればよいのです。

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<12>
露出補正を露出アイコン +2など、プラス方向に調整すれば、

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<13>
白い背景に白い花を撮影すると、思った以上に暗く写ります。

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<14>
見た目以上に明るく写すことができます。

黒い被写体を撮影する時は、マイナス側に調整します。

 白い被写体とは逆で、黒い被写体を撮影した場合、見た目よりも明るく(グレーっぽく)写ってしまいます。ただ、真っ黒よりも多少明るい方が印象が良く、失敗と感じられることは少ないようです。
 しかしそれでも、黒い物を黒く再現したい場合には、露出補正の数字をマイナス側に調整します。たったこれだけで、高級感や重厚感あふれるイメージになります。

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露出補正を露出アイコン −2など、マイナス方向に調整すると、

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黒い背景に黒いカメラを撮影すると、思った以上に明るく写ります。

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見た目よりも締まった黒になり、重厚感あふれるイメージになりました。

カメラ任せでは、なぜちゃんとした明るさにならないの?

 カメラが写真の明るさを自動調整する機能を「自動露出(AE)」といいます。新しいカメラには、最新の自動露出機能が搭載されており、多くのシーンで見た目に近い明るさで写るように設計されています。
 しかし、カメラは画面に写る被写体の明るさだけを参照して、写真の明るさを調整するしかありません。つまり、撮影場所が明るいのか? それとも被写体が白いのか? の判断は、カメラにはできないのです。
 このため、白い被写体を撮影する場合には、撮影場所が明るいものと勘違いし、写真の明るさを抑えるように自動調整します。このため、写真が薄暗い感じに仕上がるのです。
 逆に、黒い被写体を撮影する場合には、撮影場所が暗いものと勘違いし、写真の明るさを上げるように自動調整します。このため、見た目よりも明るいイメージに仕上がります。

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<18>
白い被写体は、光を多く反射します。このためカメラは、撮影場所が明るいものと判断し、写真の明るさを抑えるように自動調整します。結果として、薄暗い印象の写真になります。

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黒い被写体は、光を少ししか反射しません。このためカメラは、撮影場所が暗いものと判断し、写真を明るさを上げようと自動調整します。結果として、見た目よりも明るい印象の写真になります。

 もしかすると、露出補正なんて面倒と感じたかもしれません。
 でも考えてみてください。もともと、カメラの自動露出機能は非常に優秀なのです。ですから多くのシーンでは、露出補正の必要はありません。ただ、なんとなく写真が暗いな、とか明るすぎるな、と思った時だけ、露出補正の数字を調整すればよいだけです。
 大切なのは、写真写りの明るさは、撮影現場の明るさで決まっているのではなく、カメラの露出補正の数字を変えるだけで自在に調整できることです。
 逆に考えると、露出補正を行うだけで、人とは違った写真表現が可能になります。写真が上手な人は必ず、この露出補正機能を上手く使っているといって過言ではありません。ぜひ、使い慣れてください。

4.便利な機能も使いましょう。

似顔絵

 デジタルカメラにあるいくつものボタンを押すと、さまざまなメニューが表示され、いったい全体何を意味しているかさえわからないコマンドが数多く現れます。そこそこ使い慣れている人でも、実際にいつも使うコマンドは数種類。たまに設定を見直すのが1/3くらい。他のほとんどは一生触らないかもしれないコマンドだったりしますので、全てを理解する必要などまったくありません。
 写真の明るさを調整するために便利なコマンドを以下に紹介します。これらも必ず使わなければならないものではありません。こんな機能もある程度に覚えておいてください。

ヒストグラムの意味を知りましょう。

 ヒストグラムという言葉は、もともと統計学などでいう分布図といった意味のようです。デジタルカメラでは、画面の中の明るさの分布を示したグラフを意味しています。
 ニコンDシリーズでは、画像再生モードにしている状態で、マルチセレクターボタンを押すと表示されます。
 画面の明るさを客観的に示しますので、露出を客観的に判断するのに便利です。ただ、学術用途の写真でない場合には、写真の明るさの善し悪しは、写真の見る人の主観で決まります。客観的なデータばかりを参照することは、慎んだ方がよいかもしれません。

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再生モードでマルチセレクターボタンを押すと、ヒストグラム表示になります。明るい写真の場合には、グラフの右側の山が高くなります。

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画面が白くも黒くもない被写体を写している場合には、グラフの中央部の山が高くなります。

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黒い被写体を黒く撮影した写真では、グラフの左側の山が高くなります。

ハイライト表示の意味も覚えましょう。

 ヒストグラム表示と連続して表示されるのが、ハイライト表示と呼ばれるものです。画面の中の真っ白の部分が、真っ黒に点滅して表示されます。
 露出補正を極端にプラスに設定して撮影した場合や、画面の中に太陽や照明器具などまぶしい被写体が写っている場合に、点滅する部分が多くなります。
 この点滅表示をハイライト表示といい、この部分は、画像データが真っ白、つまりデータがない状態になっていることを意味しています。ですから、後で画像加工ソフトなどを使って補正する場合でも、ハイライト表示された部分は救いようがありません。
 ですから、ハイライト表示される部分ができるだけ少なくなるように露出補正を行うのが基本となります。ただ、この部分を少なくするだけのために、画面全体の印象が暗くなりすぎるのは考えものです。

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ハイライト表示にしたもの。画面中央部だけが黒く表示されています。

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露出補正をさらにプラスに調整した画像では、ハイライト表示される部分が多くなります。

他にも便利な機能はたくさんあります。

 露出補正を行うために便利な機能をいくつか紹介します。ここで学んだ露出補正の仕組みがわかっていれば、さらに上手く使いこなすことができるでしょう。機種によって操作が若干異なりますので、詳しくは使用説明書で確認してください。

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メニューボタンの中のコマンドを一つ一つ呼び出して設定します。

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オートブラケット
 露出補正を段階的に変えた写真を連続的に自動撮影できる機能です。たとえば、+1を基準に、±1段の露出補正を加味した3枚の写真(+1、0、+2)を連続撮影できます。機種によって設定できる内容が異なります。

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測光モード
 画面のどの部分の明るさを基準にして、写真の明るさを決定するか? を決めるものです。マルチパターンは、画面をいくつかに分割しそれぞれの明るさを元に明るさを計算するもので、カメラ任せで撮影するのに便利なモードです。中央部重点測光は、画面中央部を重点的にしながら、全体の明るさを平均的に参照するものです。直感的な露出補正がやりやすいモードてす。スポット測光は、画面の中央部だけの明るさを参照しますので、厳密な測定が可能です。

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露出値ステップ幅
 露出補正の調整幅を、0.3ステップか、0.5ステップに切り換えることができます。初心者の場合には、0.5ステップの方が簡単かと思います。

最後に

似顔絵

 さて、同じ場所で同じ被写体を撮影する場合でも、露出補正を変えるだけで、写真の明るさが変えられるようになりましたね。写真の明るさを、見た目以上に明るく写したり、暗く写すこともできます。露出補正は、写真表現の魔法といっていいものです。慣れるまでは、とにかく極端に調整してください。それだけで、新しい発見に数多く出会えるはずです。

6.露出モードを使い分けよう!

デジタル一眼レフ入門

6.露出モードを使い分けよう!

1. ごあいさつ

ごあいさつ

露出モードは、初心者にとってはとっつきにくいと感じていませんか。コマンドダイヤルには文字やいろいろなイラストが並んでいますがAUTO以外のモードを試す機会は少ないのではないでしょうか。今回は、露出についての理解を深めるために、絞りやシャッタースピードなどの知識を織り交ぜながら、露出モードの使い分けについてご紹介しましょう。

2.露出モードを切り換えてみましょう。

似顔絵

 カメラを買った時からずっと、露出モードダイヤルをAUTOに設定したまま使用している方も少なくないと思います。まず、これを他のモードに切り換えて何が変わるかを確かめるところから始めます。他のモードに切り換えても、AUTOに戻すだけで、今まで通りの撮影ができますので安心してください。

AUTOでの作動を確認しましょう。

 AUTOモードは、カメラのほとんど全ての設定を、カメラが自動的に行うモードです。つまりAUTOモードでは、設定できる内容が限られます。
 D50のメニューでは、ノイズ除去、画質モード、画像サイズを設定できます。ただ、ホワイトバランスやISO感度なども自動設定されてしまい、変更することはできません。さらに、第5回で紹介した、露出補正も設定できません。

 AUTOモードでは、写真写りのバリエーションが少ない代わりに、搭載されているのが、それぞれのイメージのアイコンで示されている「デジタルイメージプログラム」モードです。これらは、イメージに合った写りになるよう、カメラが各種の設定を自動調整する便利な機能です。

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露出モードダイヤルをAUTOやデジタルイメージプログラムモードに設定すると、

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メニューで設定できる内容は限られます。

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露出補正(写真の明るさ)も設定できません。

P、S、Aモードに設定してみましょう。

 露出モードダイヤルを、P、S、Aに設定すると、メニュー内で設定できる項目が増え、露出補正もできるようになります。
 つまり、これらのモードに設定することで、カメラに搭載されたさまざまな機能を使えるようになるわけです。機能が増えた分難しく感じられるかもしれませんが、とりあえずメニュー内の設定をいじる必要はありません。露出補正だけ行えば十分です。
 ちなみに、Pは「プログラムモード」、Sはシャッター速度の略で「シャッター優先モード」、Aはレンズ口径を意味するアパチャーの略で「絞り優先モード」と呼ばれます。
 (メニュー内の全ての項目を表示するには、「セットアップメニュー」内の「メニュー表示切り換え」を「アドバンストメニュー」に設定します。)

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PSAモードに設定してみると・・。

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メニュー内の設定項目のほとんど全てを使えます。

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露出補正も可能になります。

Mモードにしてみましょう。

 Mは、手動を意味するマニュアルを意味しています。Mモードでは、メニューで設定できる内容は、P、A、Sモードと同じですが、露出補正ができなくなります。
 その代わり、コマンドダイヤルや露出補正ボタンなどを使うことで、絞りやシャッタースピードの値をそれぞれ単独に設定できるようになります。これらの設定方法は、機種によって異なりますので、使用説明書で確認してください。
(カスタム設定で、ユーザーにとって使いやすい操作方法に変更することも可能です。)

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Mモードに設定すると・・。

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露出補正ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回転すると、絞り値(Fナンバー)が変わります。

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コマンドダイヤルを回転すると、シャッター速度の値が変わります。

3.絞りとシャッターを感じてみましょう。

似顔絵

 シャッター速度や絞りを理解するには、設定する数値とつきあわなければなりません。でも、数字が苦手な方、ご安心を。数字の大小だけわかればいいのです。
 ここでは、Mモードなどに設定して、シャッター速度と絞りの値を変えることで、カメラの何が変わるのかを、目と耳で感じてみましょう。

シャッター速度とは何か?

 シャッター速度とは、撮像素子の前にあるシャッターが開いている時間の長さを指します。撮像素子に光が当たっている時間、つまり写真が撮れている時間の長さです。
 シャッターそのものが動く速度ではありません。
 シャッターボタンを押すと「音」が聞こえて写真が撮れることは誰もが知っていますが、この音はシャッターが開く前後にボディ内のミラーが上下している音なのです。
 とりあえずは、この音に耳をそばだててみましょう。

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シャッター速度の表示「60」は、1/60秒だけシャッターが開いている意味です。

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カメラに耳をつけると、かなり大きく聞こえます。

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シャッターが開くと、撮像素子に光が当たって写真が撮影できます。

シャッター速度を変えてみましょう。

 Mモード(もしくはSモード)でシャッター速度の値を変えると、数値が変わります。
 D50の場合、一番大きな数値は4000で、これは1/4000秒を意味しています。つまり、恐ろしく短い時間だけシャッターが開く設定です。
 順次、数値を小さくしていくと、2(1/2秒)になり、次は、1"(1秒)、2"(2秒)と秒単位になります。さらに動かしていくと、最後にbulb(バルブ)と表示されます。バルブとは弁の意味で、シャッターボタンを押している間、ずっとシャッターを開きっぱなしにできます。
(Sモードでシャッター速度を大幅に変えると、絞り値(Fナンバー)の表示が、HIやLOになります。これは、絞りでの調整範囲を超えたという意味です。HIでは露出オーバーに、LOでは露出アンダーになることも確認しておきましょう。)

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LO表示は、調整範囲を超えたため露出アンダーになるという警告です。4000は、シャッターが1/4000秒だけ開くという意味です。

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HI表示は、調整範囲を超えたため露出オーバーになるという警告です。1"の「"」は、秒を意味しています。

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bulbは、シャッターボタンを押している間ずっとシャッターが開いたままになります。

絞り値(Fナンバー)で何が変わる?

 次に、Mモード(もしくはAモード)で絞り値(Fナンバー)を変えてみると、何が変わるか見てみましょう。
 レンズを覗き込みながら、シャッターボタンを押してみてください。シャッターが切れる一瞬、レンズの中に「孔」のようなものが現れます。この孔を「絞り」といいます。速すぎて観察できない場合は、シャッター速度を遅く設定してください。
 さて、絞り値(Fナンバー)の数値を小さくすると孔が大きくなります。逆に数値を大きくすると、孔が小さくなることだけ確認しておきましょう。数値と孔の大きさは反比例することに注意が必要です。

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絞り値(Fナンバー)の数値を変えてみます。

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数値を小さくすると孔が大きくなります。

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数値を大きくすると孔が小さくなります。

4.S、A、Pモードを使い分けましょう。

似顔絵

 Mモードは、シャッター速度と絞りの両方を設定することになります。しかし、S、A、Pモードを使えば、Mモードのように面倒な操作をしなくても、写真の写り方をさまざまに変えた撮影が可能になります。
 もちろん、AUTOとは違い、露出補正機能で写真写りの明るさ暗さを自由に調整したりできるのも特徴です。

Sモードを使ってみましょう。

 Sモードは、シャッター速度を決めることで、被写体のブレを調整できます。ブレの大きさは、被写体の動きの速さやレンズの焦点距離などによっても変わりますから、設定を大幅に変えて試し撮りをしてみてください。
 シャッター速度の設定に伴い、絞り値をカメラが自動的に調整しますので、写真写りの明るさはAUTOと同じです。もちろん、AUTOと違い露出補正機能で写真写りの明るさ暗さを調整できます。

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Sモードは、ブレを調整するのに適しています。

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シャッター速度を速くすると、一瞬が止まって写ります。


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シャッター速度を遅くすると、ブレを活かして動きを表現できます。

Aモードを使ってみましょう。

 Aモードは、絞り値を決めることで、背景のボケ方を調整できます。
 もちろん、写真写りの明るさが変わらないよう、カメラはシャッター速度を自動で調整します。適切な明るさになるよう露出補正を行いましょう。
 絞り値(Fナンバー)を大きくすると、背景にもピントがあったように写ります。逆に絞り値(Fナンバー)を小さくすると、背景が大きくボケます。
 背景にもピントを合わせるには広角レンズが向いています。逆に背景を大きくボカすには望遠レンズが向いています。

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Aモードは、背景のボケ方を変えるのに適しています。

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絞り値(Fナンバー)を大きくすると、背景にもピントが合っているように写ります。

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絞り値(Fナンバー)を小さくすると、背景が大きくボケて写ります。

Pモードも使いようです。

 Pモードは、シャッター速度や絞り値の組み合わせをカメラが自動的に設定するモードです。
 このため、そのまま撮影すると、ブレやボケを調整することはできません。しかし、プログラムシフト機能を使うことで、写真の明るさを同じにしたまま、シャッター速度と絞り値の組み合わせを自由に変えることができます。
 操作は簡単、コマンドダイヤルを回転するだけです。この機能を使えば、PモードもSやAモードと同じように使いこなすことができます。しかも、SモードでのHIやLOといった失敗がありません。

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Pモードに設定すると・・・。

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シャッター速度の絞り値の組み合わせが自動的に決まります。

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プログラムシフト機能を使えば、写真の明るさは同じまま、組み合わせを自由に変更できます。

最後に

似顔絵

 露出モードを切り換えることで、AUTOでは撮れない自在な写真表現を楽しむことができます。しかし、なんとなくハードルの高い機能と思われることも確かでしょう。いきなり本番撮影というのではなく、手近な被写体で試し撮りを何度も繰り返して、感覚をつかんでください。この時、できるだけ設定を大幅に変えるほうが、理解が速いはずです。

7.色を変えてみよう!

デジタル一眼レフ入門

7.色を変えてみよう!

1. ごあいさつ

ごあいさつ

デジタルカメラはできるだけ見た目どおりの色に写るように設計されていますが、撮影する光の条件によっては、見た目と異なる色になることがあります。「ホワイトバランス」を使えば、こうしたトラブルを解消できます。そして次に、被写体の種類や撮影目的にあわせて、見た目以上のきれいさで写せる「仕上がり設定」についても理解を深めておきましょう。これらを使いこなせるようになるだけで、ワンランクアップのイメージになること請け合いです。

2.デジタルカメラは、色を調整しています。

似顔絵

 ホワイトバランス機能は「WB」と略され、通常はオート(AWB)に設定されています。このため、ユーザは特別な操作をすることなく、ごく自然に見える色の写真を撮影することができます。

AWBで始めましょう。

 私たちの目には「順応」と呼ばれる性質があり、白い物を常に白として認識しようとします。デジタルカメラのAWB(オートホワイトバランス)は、こうした目の「順応」を電子的に行う機能です。このため、ほとんどのシーンで、見た目に近い色再現になります。
 下の写真は、AWBに設定したまま、同じ被写体を異なる光で撮影したものです。被写体の色などによっても結果は異なりますが、AWBは、太陽光や蛍光灯照明では、かなり見た目に近い色再現になります。
 ただし、電球照明の下では、橙色に偏るように作られています。これは、電球照明の橙色が暖かみを感じさせ、好ましい印象を与えることが多いからです。

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太陽光で撮影。見た目に近い色ですが、ほんのり赤が強い感じがします。

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蛍光灯(昼白色)で撮影。たいへん見た目に近い色です。

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電球照明で撮影。橙色に偏っています。

ホワイトバランスを操作してみましょう。

 手元のカメラでこのホワイトバランス機能を操作してみましょう。ニコンDシリーズでは、メニューボタンから呼び出す方法と、コマンドダイヤルで切り換える方法の二通りがあります。どちらか使いやすい方で操作してください。
 ホワイトバランスは、太陽光、電球、蛍光灯、スピードライト、曇り、晴天日陰など、光の種類を選ぶようになっています。

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<04>
メニューボタンからホワイトバランスを呼び出します。

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<05>
セレクターボタンで選択します。

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<06>
ボディ背面の「WB」ボタンを押しながら・・・。

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コマンドダイヤルを回転すると、スピーディに選択できます。

ホワイトバランスの設定を変えてみましょう。

 次に、同じ被写体を同じ場所で、ホワイトバランスの設定だけを変えて撮り比べてみましょう。
 ボタン操作をするだけで、写真の色が変わることがわかるはずです。とりあえず難しく考える必要はありません、設定を変えて自分がいいな、と思える色で撮影することから始めればよいのです。
 以下の作例は太陽光の下で撮影しながら、ホワイトバランスの設定を変えたものです。
太陽光モードに設定すると見た目どおりの色になりますが、これ以外の設定にすると作例のような色の変化を楽しめます。つまりホワイトバランスは、電子的に色フィルターを加えていると考えれば分かりやすいです。

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<08>
「電球」に設定。強い青に偏りました。

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<09>
「蛍光灯」に設定。マゼンタに偏りました。

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<10>
「晴天日陰」に設定。橙色に偏りました。

3.ホワイトバランスを使いこなしましょう。

似顔絵

 ホワイトバランスは、電子的に加える色フィルターのようなものです。このため、設定を変えるだけで、いろいろな色の効果を楽しめます。
 しかし本来この機能は、撮影している場所の光を正しく選択することで、色を正しく再現するために使うものです。
 色がヘン、と感じたら、まずこのホワイトバランスの設定しなおしてください。たったこれだけで、たいていの場合に思い通りの色再現になるはずです。

※ホワイトバランスのPREは、実物の白紙などを使って、白の基準を設定する機能です。光源の種類を選ばず、正しい白を設定できます。使用説明書にしたがって操作してください。

電球照明では、「電球」に設定します。

 AWBに設定したまま、電球照明の下で撮影すると、橙色に偏って写ります。この橙色は多くのシーンで暖かさを演出しますので、決して不快な色ではありません。
 商品の撮影をしたり、記録用などとして色を正しく写したい場合には、ホワイトバランスを「電球」に設定するだけで、橙色が補正され、白が白に写ります。

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<11>
ホワイトバランスを「電球」に設定するだけで、

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<12>
電球照明のために橙色に偏るばあいは、

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<13>
白が白に正しく写ります。

曇りや日陰では、意外に青ざめて写るのです。

 曇天や日陰では、影の目立たない自然な写り方になりますので、ポートレートや自然の撮影などにも適しています。元は太陽光ですが、意外に青っぽさが強いのが特徴です。このため、AWBで撮影した場合、淡いピンクなどが白っぽく色褪せて写ったり、青ざめて写ったりすることがあります。
 こんな場合も、ホワイトバランスを「曇天」や「晴天日陰」に設定するだけで、自然なピンクで写ります。人物撮影や、花の撮影などに役立ててください。
 青味を消す効果は、「曇天」よりも「晴天日陰」の方が強いです。

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<14>
ホワイトバランスを「曇り」に設定するだけで、

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<15>
日陰で撮影したら、桜の色が少し青ざめて写りました。

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<16>
桜のピンクが自然に写りました。

寒色と暖色のニュアンスを使いましょう。

 赤っぽい色を暖色、青っぽい色を寒色ということがあります。橙〜赤味がかった色調に暖かさを感じ、青味がかった色調に涼しさ寒々しさを感じるからです。
 先に、電球の橙色が暖かさを演出すると書いたのも同じ意味です。
 つまり、実物の見え方はそれとして、写真の色を暖色や寒色に偏らせることで、イメージのニュアンスを変えることができます。表現効果を目的として、ホワイトバランスを使うわけです。
 実際の色とは違うからダメというのではなく、被写体の気持ちや撮影している時の気分を伝えるために、このような色のニュアンスを積極的に使ってみましょう。

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<17>
「太陽光」で撮影。自然な色です。

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「晴天日陰」にすると暖かみのあるニュアンスに。

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「電球」にすると寒々しいニュアンスになりました。

4.仕上がり設定を使いこなしましょう。

似顔絵

 フィルムカメラの時代には、フィルムの種類によって色再現が異なるため、好みのフィルムを探すことも写真の楽しさの一つとされていました。たとえば、人物を撮影するのに適したフィルム、緑や青空を表現するのに適したフィルムなどがあったのです。
 このような微妙な色再現の違いを、デジタルカメラでも堪能するために搭載されているのが「仕上がり設定」機能です。

仕上がり設定を操作してみましょう。

「仕上がり設定」はメニューの中から選択します。通常は「標準」になっています。人物や花、町中の風景といった具合に、さまざまな被写体を撮影する場合には、このままにしておくのがよいでしょう。
 少し個性的な再現を求める時に設定を変更します。設定内容は「鮮やかに」「シャープに」「ソフトに」「人物きれい」「風景きれい」・・・など、直感的にわかるネーミングになっています。
 一枚だけ見てその効果がはっきりわかるような違いはありませんし、被写体の色などによって効果が目立たないこともあります。「標準」との比較撮影を行い、その効果を自分の目で確かめてください。微妙な違いだからこそ、こだわりたい部分でもあります。

※それぞれの設定は、「カスタム」で調整できる「輪郭強調」「階調補正」「カラー設定」「彩度設定」を目的別にうまく組み合わせたものです。ニコンのブラウザソフトで画像を表示し、データの記載項目から設定の詳細を読み取ることができます。

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「仕上がり設定」はメニューの中にあります。

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直感的に分かりやすいネーミングです。

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カスタム設定で、自分好みのテイストにもできます。

「人物きれい」は、健康的な肌色が特徴です。

「人物きれい」に設定すると、人物撮影に最適なカラー設定にすることで赤みが増して健康的な肌色になり、さらに輪郭を少し弱くして肌をなめらかに仕上げます。
 人物を撮影することが多い人は、このモードに設定しておくとよいでしょう。
 やや鮮やかさを抑えた表現になりますので、緑や青空などがくっきりした風景撮影や鮮やかな被写体の撮影には、あまり適しません。

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人物撮影に適した「人物きれい」

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「標準」で撮影したもの。

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「人物きれい」で撮影したもの。特に肌色に注目。

「鮮やかに」は、鮮やかさを増します。

「鮮やかに」に設定すると、色彩を強調するカラー設定になり、さらに彩度も強く表現します。このため、色彩がさらに鮮やかに写ります。
 色を強調したい時には、ぜひ使ってください。
 鮮やかさを強調しますので、人物撮影では肌色が不自然に感じることがあります。

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色彩を強調する「鮮やかに」

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<27>
「標準で撮影したもの。

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<28>
「鮮やかに」で撮影したもの。色の濁りがなくなりました。

最後に

似顔絵

 デジタルカメラはボタン操作だけで色を自由自在に変えられるのです。ホワイトバランスや仕上がり設定という強力な機能を活かさない手はありません。

8.内蔵フラッシュを上手に使う。

デジタル一眼レフ入門

8.内蔵フラッシュを上手に使う。

1. ごあいさつ

ごあいさつ

暗い場所で撮影するのに便利なように、デジタル一眼レフカメラにはフラッシュが内蔵されています。AUTOモードでは、暗い場所で撮影するときに自動的に発光しますので、あまり深く考える必要はないでしょう。今回はこの内臓フラッシュを上手く使うための方法を紹介しましょう。

2.内蔵フラッシュの操作を覚えましょう。

似顔絵

 フラッシュ(Flash)とは、「閃光」という意味の英語ですが、これ以外に、ストロボ(商標名)やスピードライト(ニコン独自の名称です)と呼ぶこともあります。
 この光の性質と、カメラでの操作を一通り覚えておきましょう。

フラッシュの光とは?

 前述したようフラッシュは「閃光」という意味で、雷のように一瞬だけ強く光ります。実際に内蔵フラッシュで撮影すると、パッ!と一瞬だけ明るく光ることがわかります。
 注意深い方なら、デジタル一眼レフカメラのフラッシュは、パパッ! と二回光ったりすることに気づかれるかもしれません。最初の発光で試しに照明し露出データなどを得る「プリ(予備)発光」を行っているのです。二度目の発光で実際に撮影しています。

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<01>
AUTOモードでは状況に応じてフラッシュがポップアップ(飛び出る)します。

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<02>
フラッシュは一瞬だけ光る「閃光」です

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<03>
一瞬だけ光りますから、動いている瞬間を止めて写せます

発光モード設定を変える。

 フラッシュを、どのように、どのくらいの強さで発光させるか?などを決めるのがフラッシュの発光モード設定です。
 もともと一瞬の光ですので、何がなんだか分かりにくいのですが、とりあえず発光モードを変える操作を覚えておきましょう。機種やメーカーによって操作は異なりますが、アイコンは共通しています。(写真はニコンD70、D50、D40などに共通した操作です。)

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<04>
表示パネルに、発光モードの表示があります

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<05>
フラッシュボタンを押しながら、

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<06>
コマンドダイヤルを回転させることで設定を変更できます

発光させないようにするには?

 室内や夜景撮影などではフラッシュを使うものと考えている方は多いでしょうが、実際にはフラッシュを使わない方がキレイに写る場合もあります。

夜の撮影の特集です。こちらも参考にご覧ください。

 内臓フラッシュを使わないといっても、AUTOモードでは自動的に発光してしまいますので、使わないようにする設定を覚えておきましょう。

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<07>
AUTOモードの場合は、

08

<08>
発光禁止モードに設定するだけです。

09

<09>
P、A、S、Mモードでは、フラッシュをポップアップして初めて発光するようになります。

3.フラッシュを上手に使うポイント

似顔絵

 フラッシュは一瞬だけ光りますから、影のでき方を観察したり、光の強さを直感的に感じることは困難です。このため、予期しない写りになることが少なくないのです。
 ここでは、よくある失敗の原因と対策を整理します。

影を想像してみよう。

 影は光源の反対側にできることは常識といってよいでしょう。カメラ内蔵のフラッシュでもこれは同じです。内蔵フラッシュから出た光が被写体に当たり、その光によって影ができます。それは構えるカメラの向きによっても異なるのです。
 どこに光が当たってどこに影ができるのかを想像するには、少し慣れが必要です。

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<10>
フラッシュとレンズの位置が違うため、意外な影(黒線)が写ります

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<11>
カメラを横位置にすると、影が身体に隠れます

12

<12>
カメラを縦位置にすると、人物の横に影が写ります

露出補正は通常どおりです。

 フラッシュを光らせて撮影しているのに暗く写ることがあります。これにはさまざまな原因が考えられますが、まず、通常撮影と同じように露出補正機能を試してみましょう。露出補正を+1程度に調整するだけで、明るく写るようになるはずです。

露出補正についての特集です。こちらも参考にご覧ください。

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<13>
露出補正を+方向に調整して、再度撮影します

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<14>
なんとなく暗い感じに写った場合には、

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<15>
明るい写真になりました

 もし、露出補正をしても効果がない場合には、内蔵フラッシュの光量の限界を超えている可能性があります。この場合には、ISO感度を400?800など、高感度に設定すると明るく写ります。

「赤目」とは何でしょう?

 フラッシュ撮影をすると、人の目の瞳孔が赤く染まって写ることがあります。これを「赤目」と呼んでいます。フラッシュの光が開いた瞳孔から目の中に進入し、網膜の血液の色に染まって反射するために、瞳孔が赤く写るのです。
 この現象を防ぐのが、赤目軽減アイコン で示された赤目軽減モードです。
 この機能は、本番のフラッシュが光る直前に一度まぶしく発光することで、瞳孔を小さくしてから撮影するものです。とても効果がありますので、ぜひ活用してください。

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<16>
赤目軽減アイコン の赤目軽減モードに設定するだけで、

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<17>
目の瞳孔(黒目)の部分が赤く写るのが、「赤目」です

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<18>
「赤目」が目立たなくなります

4.高度な使い方に挑戦する

似顔絵

 フラッシュの発光モードを操作すると、さまざまなアイコンがでてきます。今すぐ役立たなくても、それらがどのような機能なのかを覚えておいてください。
 いつか、役立つことがあるはずです。
 もしかすると、今まで撮れなかったイメージが撮れるようになるヒントになるかもしれません。

「SLOW」モードを使う。

 SLOWは、スローシンクロモードといいます。何がスローなのかというと、シャッタースピードが遅いということです。シンクロとは「同調」という意味で、シャッターの開閉とフラッシュの発光を同調させることから、フラッシュ撮影のテクニックにはこの名が付くことが多いのです。
 つまり、フラッシュの光はそののままで、シャッタースピードを通常よりも遅く設定することで、その場の光を多く取り込み明るく写せるようになるのです。室内のシーンを自然なニュアンスのイメージで写したり、夜景を背景にした記念撮影で夜景を明るく写すことができます。
 この場合、シャッタースピードがとても遅くなることが多いですから、三脚を使用するなどカメラをしっかり固定するのがコツです。

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<19>
SLOWモードに設定すると、

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普通に撮影すると影がキツイ写真になります

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影が薄くなり、動きも表現できました

「REAR」モードを使う。

 REARは後ろの意味です。通常、フラッシュはシャッターが開いた瞬間に発光するように設計されています。これを逆に、シャッターが閉じる瞬間に発光するのがREARモードです。前ではなく、後ろのタイミングで発光するわけです。
 どんな効果があるのかは、写真を見てみると一目瞭然です。

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REARモードに設定すると、

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前進しているのですが、通常モードでは後退っているように写ります

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前方向に動いているように写ります

昼間にフラッシュを使う?

 フラッシュは、夜や室内などの暗い場所で使うものと思われがちですが、昼間の明るい場所で使うテクニックもあります。これを「日中シンクロ」といいます。例えば逆光のシーンで影になった人物を明るく写すといったことができます。
 AUTOモードでは、明るい場所では発光しません。露出モードをP、A、Sなどに設定し、内蔵フラッシュをポップアップさせることで、明るい場所でもフラッシュを発光させることができます。

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Pモードなどに設定し、フラッシュをポップアップさせます

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逆光(画面左後方に太陽があります)なので人物が暗く写りました

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影になった人物が明るく写りました

※ニコンD70、D50、D40では、電子シャッターを併用しているため、フラッシュ撮影ができるシャッタースピードの速さの限界が、1/500秒までとなっています。フィルムカメラ時代を知る人には、驚きの性能のはずです。

最後に

似顔絵

 普段何気なく使っているはずのフラッシュが、実はかなり特殊な光だということがお分かりになりましたか? とはいえ、デジタル一眼レフカメラのフラッシュ撮影は、とても簡単に撮影できるものばかりです。時間のある時に、いろいろなモードを試してみてください。きっと新しい表現の手がかりがつかめるはずです。

9.デジタル写真の広がり。

デジタル一眼レフ入門

9.デジタル写真の広がり。

1. ごあいさつ

ごあいさつ

今回は、デジタル写真の広がりを紹介しながら、デジタルカメラならではの問題について、その解決方法をご説明していきましょう。

2.いろいろ使えるデジタル写真

似顔絵

 デジタル写真は、Webサイトで公開したり、プリント(印刷)したり、パソコンで加工するなど、さまざまな利用方法があります。
 画像データをどのように使うかに関わらず、とりあえずカメラの最高画素数で、最高画質で撮影しておきさえすれば、後はなんとかなる・・・・。
 確かにそれはそのとおりなのですが、作業の全体を振り返ってみると、最高画素数・最高画質の組み合わせだけが合理的ということではありません。では、どのような組み合わせが適切なのでしょう。「2.画素数と画質の知識」にも紹介しましたが、今一度、画素数と画質の組み合わせを整理しておきます。

Webで公開する。モニタに画像を表示する。

 一般的なパソコンのモニタ(XGA 1024×768)の画面の画素数は、約78万画素、画質の良いモニタ(SXGA 1280×1024)でも、約130万画素です。また、一般的なテレビモニタの画素数は約30万画素、ハイビジョンでは約150万画素です。
 つまり、パソコンやテレビのモニタで写真を表示する場合は、高画素である必要が無いということです。Webで公開するのであれば、パソコン画面に占める画像の比率を考え、画素数を少なくするのが効率的な考えです。

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縦位置の写真なら画面の半分くらいに表示されますので、それだけ画素数は少なくて済みます。

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モニタでの表示の場合、カメラの設定で最小画素数に設定で十分です。

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Webやメールで画像データを転送する場合には、ファイルサイズが小さくなるBASICモードが適しています。

プリント(印刷)に使う

 家庭用プリンタでA4サイズのプリントには、理論上、約300万画素で十分です。A5サイズのプリントならA4の半分で150万画素。はがきサイズ(A6)で75万画素もあれば写真画質が得られます。思いのほか、画素数は少なくても良いと言えます。
 ただ、業務用の印刷は網点と呼ばれる特殊な技法で画像を作っていますので、良好な画質を得るには家庭用プリンタの1.5倍程度の画素数が必要と言われています。
 記録サイズ(画素数)の設定はプリントサイズを考え、適切な設定にしておくのが合理的です。

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普通のプリントだけでなく、画像データから写真集が作成できるサービスもあります。

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プリントの大きさによって、記録画素数を変えるのが合理的です。

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プリントは階調再現がよいので、画質モードはNOMALがおすすめ。

画像データを加工(編集)する。

 デジタル画像の編集ソフトを使えば、画像を明るくしたり色を変えたりする画像修整だけでなく、合成したり文字を入れたりなど、さまざまな加工ができます。
 ただ、画像加工の多くは、画質の低下を伴います。このため、撮影時にできるだけ良好な画質で撮影しておけば、画質低下が目立たずにすみます。
 加工による画質の低下をなくしたい場合には、RAWデータで記録します。この詳細については、「9.3. RAWデータを使う」で紹介します。

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画像編集ソフトを使えば、さまざまな画像加工ができます。

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画像サイズは、写真の使用目的(大きさ)に合わせて選択します。

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画質モードをHIGHに設定しておけば、画質の低下が目立ちません。

3.キレイな色で写すには ?

似顔絵

 デジタルカメラのAUTOモードは、被写体や撮影条件に応じて撮影できる機能です。しかし、条件によっては、見た目とは違う色、意図していない色に写ることがあるかもしれません。
 また、デジタル画像をプリントすると、パソコンのモニタと違う場合があります。
 このような問題を感じた時の解決方法を整理しておきます。完全に望みどおりの色を再現することは困難ですが、調整することはできます。

まずカメラの設定を確認します。

 写真の色が見た目と違うと感じたら、最初にカメラのホワイトバランス機能を確認します。光源の種類に合わせてホワイトバランスを設定するだけで、色が正しく再現されるようになります。それでも上手くいかない場合には、白紙などで白の基準を設定する「プリセットホワイトバランス」を試してください。
 色の淡さや濃さは、露出補正によっても変わります。ホワイトバランスを調整した後に、露出補正も調整すると良いでしょう。
 また、色の鮮やかさなどのニュアンスは、「仕上がり設定」である程度変えることができます。

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ホワイトバランスの設定で、色の問題の多くが解決します。

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露出補正で、色の淡さ・濃さが変わります。

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鮮やかさ・渋さなど色の微妙なニュアンスを変えるには「仕上がり設定」を使います。

「カラー設定」の知識。

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カラー設定は、人物主体ならモードI、風景主体ならモードIIIを選びます。

 ニコンDシリーズのカメラには、画像の色再現を性格づける「カラー設定」と呼ばれる機能があります。選択肢は3つで、人物の肌などを、自然な色合いで階調豊かに再現するモードI、青空や木々の緑、画像データをパソコンなどで加工するためのモードII、人物や風景などさまざまな被写体を、鮮やかな色合いでくっきりと再現するモードIIIとなっています。
 モードIとモードIIIは、いずれもsRGB(スタンダード・アール・ジー・ビー)色空間に対応しています。sRGB色空間とは、ほとんど全てのパソコンモニタやプリンタも採用している色の範囲のことで、特殊な設定をすることなくキレイな色を再現できます。
 これに対してモードIIは、AdobeRGB(アドビ・アール・ジー・ビー)色空間に対応しており、sRGBよりも鮮やかな色も再現できる特徴があります。ただ、これに対応しているパソコンモニタやプリンタは機種が限られており、さらにアプリケーションやプリンタドライバなどの設定を正しく行わないと、本来の鮮やかな色調を得られません。これらの設定をカラーマネジメントといいます。

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この図は、色空間(カラースペース)を簡単に示したものです。左の一番大きい円が、人が見ることのできる色の範囲の広さ(色空間)を示しています。中央がAdobeRGB、右がsRGBの扱える色の範囲です。
写真(sRGBやAdobeRGB)は、人が見える色の範囲(左)の一部を再現しているに過ぎません。また、AdobeRGBの方が、sRGBよりも少しだけ鮮やかな色を扱うことができます。
モードIとモードIIIは、sRGBの範囲の中で、色の配置を少し変えているものと考えれば良いでしょう。

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モードIIを選択した場合には、アプリケーションやプリンタドライバのカラーマネジメントを正しく行う必要があります。

モニタの色を調整する。

 パソコンのモニタで見ている色はキレイなのに、それをプリントすると意図しない色になってしまうことがあります。また、自分のパソコンではキレイな色で見えるのに、他のモニタで見ると違う色に見えることもあります。
 モニタやプリンタにはそれぞれ個性のようなものがあって、それによって色が違って見えるのです。この個性は、機種によるものだけでなく、個体差や使用環境によるものもあります。
 モニタとプリントの色の違いで頭を痛めている方は、まず、モニタの色を正しく調整することから始めると良いでしょう。

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実物、カメラのモニタ、パソコンのモニタ、プリント・・・似てはいますが、それぞれの色は異なります。

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モニタのユーティリティを使って、色再現を調整することができますが、微妙な設定は至難の技です。

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アプリケーションソフトに付属しているモニタ調整機能を使うと、モニタの色再現などを整えることができます。

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モニタの色を調整する機械を「キャリブレーター」といい、精度の高い調整が簡単にできます。

4.RAWデータを使う。

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 RAWとは「生」という意味で、撮像素子からでていた電気信号をデジタル化しただけのものです。ニコンでは、NEF(Nikon Electronic Format)と呼ばれています。
 このデータの特徴と使い方について簡単に紹介しておきましょう。

 RAW(NEF)データは、通常のJPEGデータに比較するとファイルサイズが非常に大きく、画像として表示するにも専用のソフトが必要です。しかし、撮影した後にパソコン上で画質を劣化させずに、色や階調などの画質を調整することができます。フィルムカメラに例えるなら、暗室で画像を現像するような作業が楽しめるのが、RAWデータの魅力です。
 RAW(NEF)データは、ニコン・キャプチャーNXといったソフトを使って処理します。期間限定ですが試用版をダウンロードできますので、ぜひお楽しみください。

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画質モードで、RAWを選択します。RAWに加え、JPEGデータも同時に記録できるモードもあります。

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RAWデータはパソコンで、このようなアイコンで示されます。

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RAWデータを処理する、ニコン・キャプチャーNXのインターフェース。

RAWデータを処理する。

 RAWデータを使えば、露出やホワイトバランスなどの設定を、パソコン上で変更できます。もちろん、画質の劣化はありません。JPEGデータではこの処理をカメラ内で行なっています。RAWデータを最終的にJPEGデータに変更するとしても、カメラ内でJPEG圧縮をしたデータに比べると高画質にすることもできます。

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パソコンで露出調整もできるので、撮影現場で露出に頭を悩ませることもありません。

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ホワイトバランスも後で調整できます。色調を確認しながら設定できます。

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セピア調やモノクロにすることもできます。

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画素数も自由に設定できる他、画像データの形式も選択できます。

ニコン・キャプチャーNXのUポイントを使う。

 ニコン・キャプチャーNXには、Uポイントと呼ばれる新機能が搭載されています。
 この機能を使えば、画面の特定部分の明るさや色調のコントロールをワンタッチで直感的に行うことができます。フィルム時代でいうなら、マスキングを使った調整のような非常に高度な画像操作が、マウスとボタンの操作だけでできるのです。
 まさに絵を描くような感覚で写真のイメージを調整できることに、きっと驚かれるはずです。

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調整したい部分にコントロールポイントを置きます。

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選択範囲を表示すると、効果が及ぶ範囲が示されます。背景だけをワンタッチで選択できました。

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人物に影響を与えず、背景だけを暗くできました。これ以外にもさまざまな調整が簡単にできます。

最後に

似顔絵

 写真をデジタル化することで、インターネットを介して全世界に公開したり、知人に画像データを送ったり、写真集を作ったりなど、今まででは考えられなかったようなサービスを利用することができるようになりました。そしてこれからも、さらに便利なサービスが増えていくことでしょう。皆さんは写真を、どのように使いますか?