2008年12月アーカイブ

 40×40センチの発光面をもつコンパクトな『蛍光灯専用RIFA(リファー)』と『キャッチRIFA(リファー)』。共に同じようなつくりをしており、セットアップの仕方も同じです。

 しかし、これらは全く別物でもあります。
 後述する特徴をしっかり読んで、違いを十分ご理解ください。

▼▼はじめに・・『蛍光灯RIFA』と『キャッチRIFA』の違いについて。


   ▼『蛍光灯専用RIFA』の特徴
 
 『蛍光灯専用RIFA』のセット内容。本体、ディフューザー(黒縁の白い布)収納袋の3点です。
 内部の光源に電球タイプの蛍光ランプを用いています。ランプには、太陽光と同じ白色光の「SD撮影用」の他に、一般家電用品店でも市販されている「昼白色」や「昼光色」および「電球色」も使用可能です。ただ、それぞれ光の色が異なりますので注意が必要です。

 デジタルカメラでの商品撮影には市販品では、「昼白色」もしくは「昼光色」がおすすめです。
 撮影する部屋の照明に使われている蛍光灯と同じタイプを選べば、色のトラブルをより少なくできます。関東では「昼白色」、関西では「昼光色」が多く使われているそうです。

 発光効率のよい蛍光ランプを用いていますから、熱をほとんど出しません。本体の裏地は白色で、この生地およびディフューザーの生地は、加熱すると燃えてしまいます。つまり、決して後述の『キャッチRIFA』に用いてはなりません。

 さらに、この蛍光ランプのソケットには、通常の白熱電球をねじ込むことができますが、過熱によ

  ▼『キャッチRIFA』の特徴
 『キャッチRIFA』のセット内容。
 本体、ディフューザー(白いガラス繊維でできています)、収納袋の3点です。

 光源に、小型で効率が良いハロゲン電球を用いています。『蛍光灯専用RIFA』に比べると、かなり明るく、人物の撮影や動く被写体の撮影も可能です。(ただし、バランス良く照らせる範囲は蛍光灯専用RIFAとほとんど変わりません。)

 ハロゲン電球は、通常の白熱電球と同様、橙色の強い光です。デジタルカメラの中には、ホワイトバランスを「電球」に設定しても、少し橙色を残すように設計されている機種もあります。この場合、白紙などを用いてホワイトバランスを設定するプリセット(ワンタッチ設定など)を行います。(フィルターという道具を使う方法もありますが、そのあたりのところは、直接SDに聞いてみてください。)

 デジカメだけでなく、通常のカメラでの撮影にも十分な明るさがあり、リバーサルフィルム(ポジもしくはスライド用フィルムとも言います。)で、タングステンタイプと銘打たれたタイプを使えば正しい色再現ができます。ネガフィルムの場合には、プリント時に補正してもらうことが必要です。

 ハロゲン電球は非常に高温になる性質がありますから、本体やディフューザーの布は100%不燃性のものを使用しています。とはいえ、ハロゲン電球は必ず指定の300ワットタイプを使用してください。指定のタイプ以外のものを使用した場合には、過熱による火災の原因になります。

 ▼▼セットアップ。

 ここでは、『蛍光灯専用RIFA』のセットアップの方法を紹介します。『キャッチRIFA』のセットアップもまったく同じです。セットアップにかかる時間は数十秒。いたって簡単です。

   収納時。長さは約45センチで場所をとりません。
『蛍光灯専用RIFA』は約700グラム。
『キャッチRIFA』は約800グラムです。
   ランプの根元のソケット部分(銀色のやや太い部分)
をもち、シャフトを差し込みます。『キャッチ
RIFA』では絶対、ハロゲン電球のガラス部分に
触れないようにします。
   しっかり奥まで差し込むと、傘が張りをもって広が
り安定します。
   戻り止め固定ネジを回して、シャフトを固定します。
   ダボ(L型部分の突起)をライトスタンドに
差し込み固定します。
   左手のネジがライトスタンドへの固定ノブ。
右手部分がRIFAの角度を調整・固定するノブ
(雲台固定ノブ)です。
   ディフューザーをかぶせ、マジックテープで固定し
ます。『蛍光灯RIFA』は周囲が黒です。これは
絶対『キャッチRIFA』には使用しないでください。
   『キャッチRIFA』のディフューザーは周囲が白
です。これは燃えないガラス繊維でできています。

 ▼▼日常のメンテナンス。

 一般的に使用される蛍光ランプや電球に寿命があるように、RIFAのランプにも寿命があります。ですから、できるだけ予備を準備しておくことをおすすめします。撮影の最中でランプ切れなんてのは、結構嫌なものです。

 いずれのRIFAもランプの交換は、ねじ込むだけ。ただ、『キャッチRIFA』に使われているハロゲン電球のガラス部分には絶対触らないようにします。指紋などが付着すると、そこだけ加熱して電球の寿命を著しく低下させます。もし、指紋などが着いた場合には、アルコールを染み混ませた柔らかい布でやさしく拭き取ってください。

 また、時々は、本体やディフューザーの布地を、柔らかい布などで掃除しましょう。(変色することがありますので洗剤は使わないでください。)特にディフューザーに煙草のヤニなどがついて変色したものは、色の再現に不具合がでることがあります。あまり汚れがひどい場合には、新しいものに交換してください。

『蛍光灯専用RIFA』の蛍光ランプは、
根元をもって回転し、ねじこむだけです。
『キャッチRIFA』のハロゲン電球は、
必ず指定の300ワットタイプを使用します。
ガラス部分には絶対触らないよう注意します。            
布や手袋を使うと安心です。
もし、指紋などが着いたと思ったら、
アルコールを染み混ませて軽く拭き取ります。

 ▼▼RIFAを使いこなすのに便利な小道具たち。

マンフロット・ナノスタンド(001JB)


 いずれのRIFAも、専用のライトスタンドに固定して使うのが基本です。SDでは、『蛍光灯専用RIFA』や『キャッチRIFA』と相性がいい、マンフロット社のナノスタンド(001JB)を標準セットとして販売しています。

 収納時の長さ約48センチで(上の写真参照)、延長部は5段で、全て延ばすと2mほどの高さになります。

ダボソケット(三脚アダプター)


 カメラをセットする三脚にRIFAをセットしたい場合には、これが便利です。しかも非常に安価。(3500円)三脚のネジでダボを固定するアイデア商品です。これもSDのオリジナル商品だそうです。

ダボソケット+スーパークランプ+スピゴッド あらゆるところにRIFAを固定できます。


 前述のダボソケットに加え、スーパークランプ(黒い固定具)とスピゴット(金色の接続具)があれば、RIFAをあらゆる場所に固定できます。特に『蛍光灯専用RIFA』は熱を持たず、ソフトな光を発するので、日常生活用の照明具としても十分適応します。(『キャッチRIFA』は熱くなりますので撮影だけに使いましょう。)
 前回紹介したように、『蛍光灯専用RIFA』では、電球型の蛍光ランプを使用します。東芝の製品ですと、D型トリプルタイプ/100Wタイプ(白熱電球の100Wくらいの明るさ)がおすすめで、「昼白色」、「昼光色」、「電球色」の3タイプが市販されています。

 これ以外に、SDが開発したデーライトタイプの「SD撮影用」を含めると、4種類の蛍光ランプを選択できることになります。

 また、キャッチRIFAでは、300Wのハロゲン電球を使います。

 今回は、それぞれの光源とホワイトバランスの組み合わせによって、色再現がどう変化するかを紹介します。

◎ は理想的。
○ は色の濃い商品なら問題なし。
× は難あり。
といった評価をいれています。

 カメラの機種や被写体の色によっても、色再現は異なることがありますが、参考にしてください。 
 以下の撮影は、ニコン・クールピクス880で行ったものです。

 また、正しい色を再現するだけでなく、一枚の写真として見た時の「色」の印象をイメージとして活用することもできます。例えば、青いイメージは涼しげであったり、橙色のイメージは温かさを演出します。

 ところで、一応、念をいれておきますが、それぞれ指定された蛍光灯ないし、ハロゲン電球を使用してください。最悪の場合、火災になる恐れがあります。

 ▼昼白色の蛍光灯を使う。

撮影結果
ホワイトバランス
オート
太陽光
蛍光灯(白色)
評 価
×
×
撮影結果
ホワイトバランス
蛍光灯(昼白色)
蛍光灯(昼光色)
プリセット
評 価

 ほんのわずか青みが強いようですが、オートホワイトバランスで撮影できます。プリセットの色と比較してください。また、ホワイトバランスの設定を、蛍光灯(昼白色)にしたものは、プリセットとほぼ同じ結果になりました。

 ▼昼光色の蛍光灯を使う。

撮影結果
ホワイトバランス
オート
太陽光
蛍光灯(白色)
評 価
center>×
×
撮影結果
ホワイトバランス
蛍光灯(昼白色)
蛍光灯(昼光色)
プリセット
評 価
×

 この場合も、オートホワイトバランス、あるいは蛍光灯の昼光色でOKですが、これもほんのわずかですが青みが強いようです。プリセットの色と比較してください。

 ▼電球色の蛍光灯を使う。

撮影結果
ホワイトバランス
オート
太陽光
蛍光灯(白色)
評 価
×
×
×
撮影結果
ホワイトバランス
蛍光灯(昼白色)
蛍光灯(昼光色)
電 球
評 価
×
×
×
撮影結果
ホワイトバランス
プリセット
評 価

 オートはもちろん、太陽光、蛍光灯の白色、昼白色、昼光色、さらには電球に設定しても、正しい色は再現できませんでした。プリセットしか使えません。

 ▼SDのデーライトタイプの撮影用蛍光灯を使う。

撮影結果
ホワイトバランス
オート
太陽光
プリセット
評 価

 普通に考えると、太陽光に設定すればよいはずなのですが、わずかに緑色が出ています。オートでもほんの少し緑がかっています。まあ、許容範囲かとは思いますが、厳密な色再現を望むならプリセットを行うのが無難なようです。カメラの機種によっては、まったく緑色のでないタイプもあり、逆にもっと濃い緑になるタイプもあるようです。

 ▼キャッチRIFA(ハロゲン電球)を使う。

撮影結果
ホワイトバランス
オート
太陽光
電 球
評 価
×
×
撮影結果
ホワイトバランス
プリセット
評 価

 多くのデジカメでは、電球に設定しても、ほんの少しだけ橙色が残るケースが多いようです。機種によっては、少し青みがかるかもしれません。これも厳密な色再現を望むなら、プリセットを行うのが無難です。

 さてはて、厳密な色再現ってほんとうに難しいですね。それに、実際にやってみないと分からないことも、実に多いです。皆さんの奮闘を祈ります。
※ここでは、ハロゲン電球を用いているRIFA80×80を紹介しています。現在では、内部に蛍光灯を6個使った蛍光灯専用のRIFA80×80が登場しています。過熱せず安全に使用できる蛍光灯タイプがオススメです。2008年12月追記

 RIFA80×80の発光面の面積は、キャッチRIFAの4倍。使用するハロゲン電球は最大で850W。マネキンやモデルに商品である衣類を着せた状態など、大きな被写体の撮影にも余裕のライティングが可能です。

 1.RIFA80×80cmの実力。

 RIFA80×80もキャッチRIFAとつくりそのものは同じです。ですから大きさが違うだけで、使い方は全く同じです。ただし、次の2点には十分注意してください。

 1)最大で850ワットのハロゲン電球を使用します。これは小型の電気ストーブと同じくらいの消費電力です。ブレーカーの容量や、延長コードの容量にも配慮してください。特に延長コードの容量が小さいと発熱し火災の原因にもなります。もちろん、RIFAそのものも正しい使い方をしてください。

 2)発光面の大きさが同じていどの他の照明器具と比較するなら、80×80RIFAは非常にコンパクトかつ軽量です。しかし、それなりの重さはあります。ライトスタンドに設置した時のバランスにも注意してください。必要に応じて、ライトスタンドの下部に重りを付けておくと安心です。

 キャッチRIFA(左)とRIFA80×80

 キャッチRIFAとRIFA80×80を並べてみると、その発光面の大きさの違いがはっきりわかります。面積比で4倍。この大きさによって、非常に柔らかい光を得ることができるのです。

 そして同時に、ちょっと不思議なことに気づきます。発光面自体の明るさは、さして違わないのです。しかし、キャッチRIFAは300W、RIFA80×80は850W。消費電力は約3倍の違いがあります。どうしたことでしょう?

 ここで例えば、約212WのキャッチRIFAを4つ、縦横に並べた姿をイメージしてください。212×4灯で、約850W。そして発光面の大きさは4つ分で、約4倍。
 これがRIFA80×80の照明とほぼ同じ状態になるわけです。
 発光面の中の1点だけの明るさにさして違いはなくても、キャッチRIFAの4倍の面積をカバーしているのですから、実際には相当明るいわけです。この違いは特に、RIFAから離れた場所で顕著になります。

 RIFA80×80

 1灯で人物を照明した例      その結果
   

 上の写真を見てください。使用しているのはRIFA80×80 1灯のみです。さすがに白のバック紙はスタジオっぽい感じがしてしまいますが、たったこれだけのライティングでここまで撮影できてしまうのです。これをもってライティングと呼んでいいのかどうかさえ怪しい感じがしますが、われわれプロにとっては本当に困った話です。

 ただし、シャッタースピードは1/37秒、絞り値はf2.8です。ブレを防ぐには、カメラは三脚に固定し、被写体もあまり動かないようにしなければなりません。
(シャッタースピードが遅いとブレやすく、絞り値の数字が小さいとピントの合う範囲が少なくなります。)

 ともあれ、人物自体に落ちている影、そして白バックに落ちている影の柔らかさに注目していただきたいと思います。大きめのレフ板を使えば、これらの影をさらに明るくすることもできます。
 次に、RIFA80×80とキャッチRIFAの違いを見てみましょう。

 RIFA80×80とキャッチRIFAの違い

写真A.

RIFA80×80で
照明した例。
写真B.
写真Aと同じ露出条件で
キャッチRIFAで
撮影した例。
写真C.
人物の明るさを
写真3Aに揃えるように
露出条件を変えて撮影した例。
     
 写真Aと写真Bは、カメラの露出条件を同じにして、撮り比べてみたものです。キャッチRIFAの方が暗いですね。でも、思ったほどの暗さではありません。

 写真Cは、人物の明るさを写真Aに揃えるように露出条件を変えたもの。パッと見た目には同じように見えるかもしれません。しかし、人物に落ちた影と背景の明るさに大きな違いがあります。

 RIFA80×80の方が、影が柔らかく、背景もずいぶん明るいことがわかるはずです。これが発光面の大きさによる描写の違いというわけです。

 2.衣装の撮影にも最適!

 RIFA80×80を使えば、人物の全身を撮影することも、割合簡単にできることを先に紹介しました。

 ということはつまり、人が身につける衣装なら、被写体が動かないだけに、さらに簡単に撮影できる、ということですね。

 実際問題、蛍光灯RIFAやキャッチRIFAを使って、衣装の撮影を苦心惨憺しながら行っている方は多いかと思います。もちろん、撮影できないわけではありませんが、衣装のシワの描写や、部分の濃さの違い、あるいは背景の影などが、なかなかうまくいきません。この原因はただ一つ。発光面が小さいためです。

キャッチRIFAでの照明          浴衣のシワ、画面右上と左下の濃さの違い、
背景の影に注目してください。
 


 つまり、発光面の大きな80×80RIFAを使うだけで、これらの要素はかなり改善されます。

RIFA80×80での照明         上の画像と比べてください。シワ、濃さの違い、
背景の影がずいぶん改善されています。
  


 さらに、適度な大きさのレフ板を使えば、これらの問題はほとんどなくなります。浴衣でこの程度の撮影ができるのですから、Tシャツや上着などは、もっと簡単に撮影できます。

 レフ板(白色/左側)の効果     影が薄くなり、
見栄えがする結果になりました。




  もし、撮影場所の天井がある程度高く、ライトスタンドに加えて、ライトブーム(RIFAを真上から照らすための道具)を使用できる環境なら、さらに自由度のあるライティングが可能になります。

RIFA80×80を天上にセット    



立派な浴衣に見えませんか?
左袖のシワをのばすのを忘れていたのは、御愛嬌ということでご勘弁を・・。
ちなみにこの浴衣は、私が着古したものです。これまた御愛嬌ということで・・。

3.2灯ライティングへのステップ。

 もし、キャッチRIFAとRIFA80×80をお持ちであるなら、これら二つのRIFAを使って2灯ライティングに挑戦してみましょう。それぞれ、同じ色の光源であり、かつまた眼で視認することのできる照明ですから、とても簡単にプロ並のライティングが可能になります。

 その初歩的な使い方をいくつか紹介します。

80×80RIFA(画面右側)のみ   
その結果



 以下、キャッチRIFAの使い方で何が変わるかに注目してください。

1)キャッチRIFAをレフ板変わりにする。

影をキャッチRIFAで照明        レフ板を使ったような効果になります




 RIFA80×80の照明だけでは、被写体の光源とは反対側の部分に影が落ちます。この部分をキャッチRIFAで照明すると、レフ板を使ったような効果を得ることができます。被写体が大きい場合には、大きなレフ板を使用しなければなりませんから、キャッチRIFAを使うことで省スペース化が計られます。

 2)キャッチRIFAの光を被写体の背後から当てる。

左奥にキャッチRIFAを追加     
画面左側の髪の毛と腕に
明るい部分ができました。



 被写体の後側から照明するというのは、常識的にはあまり思いつかないものです。しかし、こうした照明では、被写体の端の部分(この場合では画面左側の紙の毛と腕)が明るくなりますから

3)キャッチRIFAを天井部に設置する。

天井部にキャッチRIFAを追加    髪の毛の描写に大きな違いがでます。




 人物のイラストを描く時、よく髪の毛にテカリを入れますね。天井部にキャッチRIFAを設置し、人物の真上から照明すると、こうしたテカリが髪の毛にできます。屋外での自然光は、常に上からの光ですので、このようにキャッチRIFAを使うことで、より自然な感じに見えるはずです。

4)キャッチRIFAの光を背景に当てる。

キャッチRIFAを背景に向ける   
画面左側の背景が明るくなっています。





 背景を照明しているため、人物そのものはRIFA80×80 1台だけで撮影したときと同じです。少し戻って、しっかり見比べてください。背景が明るくなることで、背景と人物の距離感が増したように見えませんか? 一見、無駄なように思える照明ですが、意外な効果がありますね。