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2.ズーム機能と接写機能を使う。

 当たり前のようで、実は奥が深いズームの機能について説明します。

 
  ズームの表示例。

 左側のバーが「光学ズーム」、×4.0という数字が「電子(デジタル) ズーム」の表示です。  ズームというのは、レンズの焦点距離などを変えて、画面に写る商品の大きさなどを調整できる機能です。ほとんどのデジカメでは、W(ワイド/広角)とT(テレ/望遠)と刻印されたボタンや切り換えスイッチで操作します。

 W側にすると、広い範囲を写すため、画面の中に小さく商品が写ります。
 T側にすると、狭い範囲だけを写しますので、画面の中に商品が大きく写ります。

 これが基本です。皆さん、ご存じですよね。
 しかし、決してこれだけではありません。今回の記事をじっくり読んで、ズーム機能を使い倒してください。

 さて、デジカメのズーム機能は、大きく二つに分けられます。一つは、レンズの焦点距離を変える「光学ズーム」、もう一つはレンズの焦点距離は変えずに画像の中央部分だけを大きく拡大する「電子(デジタル)ズーム」の二つです。

 後者は画像の一部分だけを使用するために、若干画質が低下しますが、モニター上で見るだけなら、その影響はほとんどありません。いずれのズームにおいても、今回の記事は役に立つはずです。

 ▼▼ズームのツボ・W側には注意が必要!

写真1a
W側で撮影。
写真1b
T側で撮影。
   
本の端が歪み、画面上部に
照明の写り込みがあります。
歪みも、写り込みも
ほとんどありません。
 
 写真1abを見比べてください。同じ本をズームのW側とT側で撮影したものです。

 W側で撮影した写真1aでは、画面周辺(本の端)が歪み少し膨らんで見えること、そしてさらに画面上部に照明の写り込み(テカリ)があることが分かります。

 これはいただけませんね。

 画面周辺の歪みは、「レンズの収差(レンズ性能の一種)」が原因です。コンパクトタイプのデジカメで、W側で撮影すると、こうした歪みがでます。歪みを無くす(少なくする)ためには、できるだけT側で撮影する必要があります。

 スペースの都合などで、どうしてもW側で撮影しなければならない場合には、カメラを少し商品から離して、画面に余裕をもって撮影し(写真1c)、後で画面周辺をトリミング(カット)すれば、いくらか歪みを軽減することができます(写真1d)。

写真1c
W側で画面に余裕をもって撮影し・・
写真1d
画面をトリミングすれば、
歪みを軽減できます。
 

 また、W側で撮影した時の照明の写り込み(テカリ)は、カメラと本が近いために生じたものです。
写真2abを見比べてもらえれば、その原因が直感できるはずです。この写り込み(テカリ)を無くすには、T側で撮影するか、あるいはライト位置を画面左側にずらします。

写真1e
W側の光の反射。
写真1f
T側の光の反射。

 ▼▼ズームのツボ・商品の大きさの印象を変える。

 冒頭で、ズーム機能は、画面の中に写る商品の大きさを変える機能だと書きました。少し考えて頂ければ分かるように、これは、商品とカメラの距離を変えないことを前提としています。

 つまり、ズームをW側にして商品に近づいたり、逆にT側にして商品から離れたりすれば、画面の中に写る商品の大きさは同じままで撮影できます。でも、ここが肝心なのですが、これらは同じ写りになるわけではありません。何が変わるでしょう?

写真2a
 W側(8ミリ)にして
 近づいて撮影。
 写真2b
  T側(20ミリ)にして
  遠ざかって撮影。
 写真2c
  電子ズームを最大にして
  さらに遠くから撮影。

 しっかり見比べてくださいね。というか、まあ、一目瞭然ですね。
 カメラの大きさの印象が決定的に違います。

 W側で撮影した写真2aは、とても大きく見えます。
 T側で撮影した写真2bは、まあ、普通の印象といったところでしょうか。

 電子ズームを最大にして撮影した写真2cは、まるで設計図のようにカメラの角の平行線がほぼ正しく平行に写っています。でも、写真2aや2bと比べると、ちょっとミニチュアっぽく見えます。

 どれが良いか、という一般論はありません。目的によって、こうした大きさの印象を使い分けることが大切です。肝心なのは、ズーム操作と同時にカメラ位置を調整する、ちょっとした労力だけです。

▼▼ズームのツボ・背景の写り方の違い。

写真3a
W側で撮影(背景に注目)。  
写真3b
T側で撮影(背景に注目)。


写真3c
背景として写る範囲。
 赤線がW側、青線がT側です。
 

 今度は、カメラではなく、背景に注目してみます。

 W側にするとカメラ後方の広い範囲が写り、T側にすると割合狭い範囲だけが写ることが分かります。

 W側で撮影すれば、背景がより後方まで写りますから、奥行き感がでます。

 背景となる紙や下地、グラデーションペーパーの大きさに限りがある場合には、T側で撮影すると、画面全体をカバーすることができます。

 ▼▼ズームのツボ・接写(マクロ撮影)時はT側で。

W側で撮影。    T側で撮影。
   
W側で撮影した時の、商品とカメラの距離。
T側で撮影した時の、商品とカメラの距離。

 小さな商品を大きく撮影するには、デジカメの接写機能(マクロモード)を使います。多くのデジカメでは、モニターや液晶表示パネル上に、お花のマークを出すように操作すればよいだけです。

 フィルムを使ったカメラに比べると、デジカメでは恐ろしく簡単に接写が可能です。これは、受光素子が小さいために、レンズの焦点距離が短く、このために被写界深度が深くなるためです。ま、余談です。

 さて、接写(マクロ撮影)では、商品により近づいて撮影することになります。
 このため、商品とカメラの距離(ワーキングディスタンス)が狭くなりますから、RIFA(リファー)の照明位置を調整したり、あるいはレフ板を置いたりなどするには、非常に困難が伴うようになります。
 つまり、T側で撮影すれば、このワーキングディスタンスを長くとることができ、照明の調整などが少し楽になります。もっとも、先に紹介した「商品の大きさの印象」との兼ね合いも大切ですが・・・。

 さてさて、単純だと思われていたズーム操作の奥深さが少しは理解できましたか?